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IoTが加速する分散コンピューティング

2016年4月18日(月)大和 敏彦

コンピューティングに関して今、クラウドによる集中処理だけではなく分散処理の検討や実現が進んでいる。膨大な数のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)デバイスに備えるためだ。今回は、分散処理に焦点を当てて、いくつかのテクノロジーやソリューションを見てみたい。

 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を支えるための新しいテクノロジーやソリューションが生まれている。その一例として前回記事『注目高まるFintech、インパクト先は金融に限らない』において、米IBMと韓国Samsungによる「ADEPT(Autonomous Decentralized Peer-to-Peer Telemetry)」という仕組みを、IoTデバイスに適用した実証実験を紹介した。

洗濯機が自動で洗剤を発注し支払いまでを完了

 ADEPTは、ブロックチェーン技術によってIoTデバイスを自律管理するための仕組みだ。IBMとSamsungは、ドアロックやウェアラブルデバイス、洗濯機などを対象にADEPTの実証を進めている。

 この仕組みを搭載した洗濯機「W9000」は、洗剤の残量が低下しているのを検知すると、小売店に発注メッセージを送信し、スマートコントラクト(契約)に基づいて支払いを実行。それらを洗濯機の所有者に報告する。小売店側では、スマートコントラクトの有効性と支払いを確認したら、補充注文書を作成し商品を発送すると同時に発送通知を洗濯機に送信する。

 同じように故障に対しても洗濯機が検知して、自動的に修理や保守部品を手配する。洗濯機が正常に動作するのに必要な処理を判断し、それを自動的に発注/依頼するわけだ。こうした発注だけでなく、ADEPTの仕組みを搭載したデバイス同士では、消費電力を最適化するための調整もできるという。

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