[技術解説]

DevOps、コンテナ、CI/CD、Hadoop─オープンソースに本気で取り組むマイクロソフト

日本マイクロソフトプレス向け勉強会より

2016年6月16日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

好むと好まざるとに関わらず、今後、ITリーダーが避けて通れない技術の1つがオープンソースソフトウェア(OSS:Open Source Software)だろう。先進的なソリューション、つまりDevOpsやコンテナ技術のようなCI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)のツール、あるいはビッグデータ分析やマシンラーニング(機械学習)などはOSSが圧倒的に主流だからである。そんな中、マイクロソフトがOSS重視の姿勢を鮮明にしている。

 Microsoft Azure上の仮想マシンの25%はLinux、(アプリ販売市場の)Azure Marketplaceの60%はLinuxをベースとするソフトウェア−−。日本マイクロソフトがオープンソースソフトウェア(OSS:Open Source Software)への取り組みに関する記者向け勉強会を開催し、OSSへの積極姿勢をアピールした(図1)。「Azureの事業戦略として、OSSに本気で取り組む」(クラウド&エンタープライズビジネス本部クラウド&サーバー製品マーケティング部長 斎藤泰行氏)という。

図1:OSSのサポートでMicrosoft Azureのオープンさを強調する図1:OSSのサポートでMicrosoft Azureのオープンさを強調する
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 しかしAzureというクラウドサービス限定とはいえ、一般には次のような意見が主流かもしれない。

 「マイクロソフトはWindowsやSQL Serverのベンダー。Azure上の話とはいえ、やはり商用ソフトが主力だろう。確かにLinuxやHadoopのようなOSSのサポートも充実させているようだが、それは仕方なく手掛けているだけではないのか?」

 実際、数年前まではそうだったはずだが、ここへ来てマイクロソフトは本気でOSS重視に切り替えたようだ。米国や英国の政府機関を持ち出すまでもなく世界的にOSSが広がり、かつ先端的なソフトウェアの大半がOSSとして生まれてくる現在、「仕方なく」といった中途半端な取り組みではシェアを失う一方になりかねないからである。

 同社の新井真一郎氏(クラウド&エンタープライズビジネス本部OSS戦略担当部長)は、こう補足する。

 「WindowsをLinuxで置き換えるストーリーではなく、OSSでないと出来ないソリューションに対応する。Windowsでできることも当然増やすが、例えばHadoopでできることをWindowsでやっても、顧客やパートナーにとっては選択肢が増えることにはならない」

 事実、冒頭の数字以外にも、同社の本気度を示す根拠は多かった。例えば日本でシェアが高いRed Hat Enterprise Linux(RHEL)はもちろん、海外で高評価のUbuntuやCentOSなど8種類のLinuxをサポートするほか、これらのOS上で稼働するソフトウェアも冒頭の図の通りで怠りない。SQL ServerもLinuxで利用できるようにするし「コンテナ技術のDockerを稼働させる専用OSである『コアOS』もサポートする」(新井氏)。仕方なくというより積極的な姿勢がうかがえる。

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