[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】シャープを傘下に収めるホンハイの米国工場設立計画、ほか

2017年2月2日(木)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

 
 
 

「三網融合」の現状、中国のIPTVユーザー数は8673万世帯

―中国証券報(2017年1月25日)

 工業・情報化省は公式ウェブサイト上で2016年における中国通信業界に係る統計を公表した。同統計によると、「三網融合」事業は順調に成長して一定の規模を形成しており、2016年12月末日における中国IPTVユーザーは8673世帯に達したという。「三網融合」とは、通信網(電話)、インターネット網、ケーブルテレビ網の3つ(三網)を融合するという中国の国策プロジェクトを指す。

 業界関係者によると、2016年に中国3大通信キャリアによるIPTV業務が順調に展開した主な理由は、強靭なインフラ力と、弾力性のある抱き合わせ商法による営業戦略、および規制緩和にあるという。

 一方で通信事業者によるIPTVの急速な規模拡大は、伝統的な有線放送事業者(筆者注:中国では欧米のようにケーブルテレビが非常に発展している)に多大なプレッシャーを与えている。工業・情報化省は2016年5月5日付けで、三網融合の国策により作られた「中国広播電視網絡有限公司」に対して「基礎通信業務経営許可証」を交付し、中国4番目の通信キャリアを誕生させている。

 英国の市場調査会社OVUMの消費者サービス主席アナリストのジョナサン・ドーラン(Jonathan Doran)氏および同社メディア・エンターテインメント研究・分析の責任者であるロブ・ギャラガー(Rob Gallagher)氏は、2021年における全世界の通信事業者が提供するIPTVのユーザー数は、全世界の有料テレビユーザー数の4分の1以上に達すると予想する。内訳として、ラテンアメリカと西ヨーロッパの市場シェア率は50%を超えるとしている。同社によると、現在、通信事業者による有料テレビ事業者の企業買収ブームが起きており、今後数年にかけて、IPTV成長の起爆剤となるとのことだ。

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