[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】シャープを傘下に収めるホンハイの米国工場設立計画、ほか

2017年2月2日(木)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

 
 
 

「メイドインチャイナ2025」のモデル都市が2017年度中に20~30都市まで拡大

―経済参考報(2017年1月12日)

 中国政府が国策として進めている「メイドインチャイナ2025」(IoTなどを駆使して製造業のスマート化を実現し、「製造大国」から「製造強国」への転換を目指す国家プロジェクト)について新しい動きがあった。工業・情報化省は、「メイドインチャイナ2025」の新たなモデル都市を、2017年内に20~30都市ほど追加する予定であるという。

 情報筋によると、2016年8月に浙江省寧派市が最初の「メイドインチャイナ2025」モデル都市に認定されて以降、湖北省武漢市や福建省泉州市、四川省成都市など、全国から30以上の都市による同モデル都市への認定申請があったという。多くの行政機関で「メイドインチャイナ2025」の実施方案を起草しており、今後は工業・情報化省の事業計画に基づき、2017年中に20~30都市が認定を受ける見込みとのことだ。

 「メイドインチャイナ2025」モデル都市の選定にあたっては、中国の東部、中部、西部及び東北地区への分布や、伝統的製造業(工業)都市、イノベーション型都市、資源型都市など、その都市の経済構造についても考慮する。さらに重要なのは、各モデル都市とその周辺地域間での産業間の反応にある。「メイドインチャイナ2025」により、地域内で新たな産業構造郡の形成が望まれる都市ほど、認定を受ける可能性が高いという。

 中国工程院(技術分野における最高研究機関)院士(科学技術分野における最高学術称号)である●賀銓氏(●:烏偏におおざと)は、「今後、関連した政策的措置により、利権方面の課題はさらに改善されると見られる」とした上で、「産業政策と財政・税務政策による推進により、中国の製造業は全面的な転換・アップグレードの段階に入る」との見解を示した。

中国国内での発明による特許権の保有数が100万件を突破

―新華社(2017年1月20日)

 中国で知的財産権を管轄する「国家知識産権局」は、2017年1月19日に行われた定例記者会見の席上で、2016年における知的財産権の状況について統計を発表した。

 国家知識産権局弁公室主任の胡文輝氏の紹介によると、2016年に中国で受理された発明による特許権の申請件数は133万9000件で、前年比21.5%の増加となり、6年連続で世界一となった。2016年末日における中国国内での発明による特許権の保有数は110万3000件で、中国は米国と日本に次いで世界で三番目の、発明による特許権の保有数が100万件を超える国家となった。

 胡文輝氏は、「2016年における発明による特許権の申請件数は、商標権などの知的財産権全体の申請件数の40%前後となっている」とした上で、「中国国内での発明による特許権の申請件数と、特許権のライセンス使用許可の件数は、共に企業によるものが6割を占めており、企業をイノベーションの中心とした流れが加速している」との認識を述べた。また同時に、実用的な特許が少なく、知的財産権の大国になれないという問題は依然として存在しており、まだまだ優勢とはいえない分野も多く、さらなるテコ入れが必要だとしている。

 国家知識産権局企画発展司の司長である●亜麟氏(●:龍の下に共)は、「今後も特許権に係る環境整備と効率向上に努めるという理念の下で、特許権の申請、代理、審査、保護、運用などの各分野で改良を重ねたい」とコメントした。

 この他、同局の資料によると、2016年における「国際出願制度(PCT)」による特許権の申請件数は4.5万件で、前年比47.3%の増加という。

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