Robot as a ServiceにChief Robotics Officer、インテリジェントRoboNet―IDCジャパンは2017年2月9日、2020年までにこのような聞き慣れないキーワードが企業に浸透しているとの予測を発表している。目覚ましい発展を遂げるロボティクス業界、次々と新たなトレンドキーワードが誕生し、マーケット拡大を促進していくようだ。
6. ソフトウェア定義型ロボットの登場
「2020年までにロボットの60%は、ロボットに組み込まれるべき新機能、認知能力、制御プロウラムがクラウドサービスで提供されるようになる。このような変化から、ロボティクス向けのクラウドマーケットプレイスが形成される」
1同様、ソフトウェア関連はクラウド化に向いており、標準化、エコシステム形成の流れが進めば、いずれマーケットプレイスが登場することになる。
7. 人間と協働するロボット
「2018年までに新規導入されるロボットの30%は、既存ロボットの3倍の速度で動作するスマートなロボットになり、人間の周囲で安全に作業する」
モーターやCPU、GPUなどの性能向上により、ロボット自体の性能も急速に向上する。また、クラウドやAIとの組み合わせにより自律性を持ったスマートロボットが、人間と同じ空間で安全に作業するようになる。
8. インテリジェントRoboNet
「2020年までに商用ロボットの40%はメッシュネットワークに接続されたロボットの最適化された稼働情報や機能情報が共有され、ロボットの運用効率は全体的に20%改善する」
メッシュネットワークは、端末同士が通信を行うことで、基地局やアクセスポイントに囚われず接続可能にする通信ネットワーク技術。経路を網の目に構成し、障害が起こっても修復可能という特徴を持つ。これを、工場などに複数台設置されたロボットに適用、データを収集・分析して運用効率を向上させれば、IoT端末としてのロボットということになる。
9. 工場以外でのロボット導入拡大
「2019年までに物流、医療、公共/公益、資源の主要企業の35%は、ロボットを活用した運用自動化を検証するようになる」
手術支援ロボットはすでに実用化されている。1990年代に開発された米Intuitive Surgicalの「ダヴィンチ」は日本の病院にも採用され、多くの実績をあげている。ソフトバンクの「Pepper」は発売以来個人・法人向けともに好調で、コミュニケーションロボットの市場を着実に開拓している。
10. ロボティクスを活用するeコマース企業が増加
「2018年までにグローバルeコマース/オムニチャネル企業の主要な200社の45%は、倉庫内の受注処理業務や配送業務にロボティクスを導入する」
米amazon.comが注力していることからもわかるように、受注処理業務や配送業務の自動化がeコマース企業に与えるビジネスインパクトは大きい。amazonに対抗あるいは追随しようという企業は、コスト面やスピード面を考えるとロボティクスの活用は避けて通れない道だ。

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日本は、グローバルの産業用ロボット市場で上位につけている。Pepperも国際展開はまだながら独自の市場を構成するなど、ロボティクス市場において日本はそれなりの存在感を示しているといえる。
今後ITやネットワークとの融合が進むことは避けられないため、製造業で培ったハード面での強みだけではグローバル競争に勝つことは難しくなるはずだ。ソフトウェアの技術を磨いていく必要があることは、コンピューターでも自動車でも同じことだ。