2017年11月の3本:日本マイクロソフトが「Azure Stack」を本格展開/富士通とレノボがPCで合弁事業/国内コグニティブ/AI市場をIDが予測
2017年12月7日(木)松岡 功(ジャーナリスト)
2017年11月のニュースから松岡功が選んだのは、「日本マイクロソフトが『Azure Stack』を本格展開」「富士通とレノボがPCで合弁事業」「国内コグニティブ・AIシステム市場をIDC Japanが予測」の3本である。“見逃せない”理由と共に、それぞれのニュースのポイントをお伝えする。
国内コグニティブ・AIシステム市場をIDC Japanが予測
IDC Japanが2017年11月15日、コグニティブ(認知)・AI(人工知能)システムの国内市場予測を発表した。それによると、2021年には2016年比で15.7倍の2501億900万円の規模になるという。(図3)
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2016年の市場規模は158億8400万円と推定。同年は企業によるAI利用機運が高まったが、効果の実証実験(PoC:Proof of Concept)が多く、実際のビジネスへの適用は少数にとどまったとしている。
ただ、2017年はPoCから実ビジネスへの適用が多くなり、市場は急拡大する見通し。2018年以降は金融などでの詐欺検出・分析、全業種での自動顧客サービスなどへのAI適用が進み、2016~2021年の年間平均成長率は73.6%で推移すると予測している。
[選択理由]
筆者の知る限り、国内のAI市場規模の現状や予測についてのレポートが出てきたのは初めてなので、チェックしておきたいところだ。
ちなみに、IDC Japanはコグニティブ・AIシステムについて、「自然言語処理と言語解析を使用して質問に応答し、機械学習をベースとしたリコメンデーションとディレクションを提供する技術」と定義している。
また、ベンダーおよびシステムインテグレータに対しては、「来るべきコグニティブ・AIシステムのビジネス展開期に向けて、AIの実ビジネス適用のためのコンサルティング、教師データの構築・作成支援サービスなどを準備する必要がある」としている。
ユーザーとしてもAIをどう活用していくか。ビジネスを大きく左右する技術になり得るだけに、まずはいち早く取り組み始めることが重要だろう。
筆者プロフィール
松岡 功(まつおか・いさお)
ジャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアでコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)などがある。
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