2018年度IT関連施策の“目玉”となる「IoT投資減税」の詳細がまとまった。経済産業省がかねてから提唱している日本版第4次産業革命のコンセプト「コネクテッド・インダストリーズ」に対応したもので、IoT(Internet of Tings:モノのインターネット)にかかわるハード/ソフトの新規投資が対象となる。安倍政権が掲げる「生産性革命」の中核施策となる。
IT関連の投資にかかわる減税措置は、2003年度にスタートした「IT投資促進税制」以来15年ぶり。「IT投資促進税制」はIT経営の実現を目標としているのに対し、今回の「IoT投資減税」はIoTやビッグデータ、AI(人工知能)などを駆使して生産性を飛躍的に改善するねらいがある。
「昇給減税」とは別枠の位置付け
対象となるのは、「データ連携・利活用により、生産性を向上させる取り組み」で、具体的には
①データ収集機器(センサーなど)
②データ分析より自動化するロボット・工作機械
③データ連携・分析システム(サーバー、AI、ソフトウェア)
④サイバーセキュリティ製品
などへの投資が対象となる。
主務大臣(経産相)が認定した事業計画に含まれる設備投資(最低投資合計額5000万円)について、30%の特別償却または3%の税額控除(法人税額の15%が上限)を講じるとしている。適用期限は2021年3月末までの3年間。
先に自公与党が示した2018年度税制改正大綱に盛込まれた「情報連携投資減税」案を具体化したもので、併せて施行される昇給減税の対象企業(従業員の平均給与の対前年度増加率3%以上の条件を満たした企業)については、税額控除2%(法人税額の20%を上限)の上積みが認められる。
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