「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り組みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、CIO賢人倶楽部の会長を務める木内里美氏のオピニオンです。
CIO(Chief Information Officer : 最高情報責任者)という職務が日本で認知されるようになってからほぼ20年になる。その当時は当然スマートフォンなどなかった。米国の象徴的なIT企業のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)もGoogleはまだスタートアップ、Amazonはオンラインブックショップを始めた頃、Facebookは存在しなかった。もちろんクラウドという概念もなかった。
この20年間の情報テクノロジーやITビジネスの変化は凄まじい。今やGAFAは世界時価総額でトップクラスの企業群になっている。サービスの充実も目覚ましい。技術の進化はセキュリティのリスクも高めることとなり、サイバーセキュリティとして安全保障上にも重要な領域になった。これだけの変化があるなかでCIOのロールが変化するのは当然のことである。
では具体的にどう変わったのか? 20年前のCIOに求められていたものは情報基盤の構築、効率的な投資、ITガバナンス、業務の効率化、セキュリティや運用の管理体制作りなどほとんど内向きの課題解決だった。生産現場の人たちの仕組み作りもほとんど手に染めることもなかった。営業支援の仕組み作りくらいは手掛けても主に管理のための仕組み作りがほとんどでマーケティングには及ばない。主にインフラとセキュリティが担当分野であって、変わった事といえばパソコンが一人一台に行き渡ったくらいで企業のシステム部門発祥の頃のミッションと大きな変わりはなかった。
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