[市場動向]

中堅・中小企業のRPAはWinActorとBizRobo!が2強、年商50億円未満は「RPA導入後の利用が続かない」─ノークリサーチ

2019年12月16日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ノークリサーチは2019年12月16日、年商500億円未満の中堅・中小企業1300社を対象に、「RPAツールのシェア」と「主導部門や用途の変化」を調査し、結果を公開した。RPAツールの導入社数シェアでは「WinActor」と「BizRobo!」が2強となった。興味深いデータとしては、年商50億円未満の企業では、RPAを導入済みと答えた回答の割合が2018年から2019年にかけて減少した。RPAツールをいったんは導入したものの利用が続かなかったユーザーが存在する。

 ノークリサーチは、年商500億円未満の中堅・中小企業を対象に、「導入済み」または「導入予定」のRPAツールのシェアを調べた(図1)。導入済みと導入予定を合わせた結果、NTTアドバンステクノロジの「WinActor」(26.5%)が1位となった。

図1:年商500億円未満の中堅・中小企業における、「導入済み」または「導入予定」のRPAツールのシェア(出典:ノークリサーチ)図1:年商500億円未満の中堅・中小企業における、「導入済み」または「導入予定」のRPAツールのシェア(出典:ノークリサーチ)
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 RPAテクノロジーズの「BizRobo!」(9.3%)は、ソフトバンクの「SynchRoid」(10.5%)や、大崎コンピュータエンヂニアリングの「OCEVISTAS」(5.7%)などBizRobo!をベースとしたソフトウェアを合わせると25.5%となり、1位のWinActor(26.5%)と同程度となる。

年商50億円未満はRPA導入後の利用が続かない

 中堅・中小企業のうち、年商が低いグループである年商5~50億円の企業に着目し、「RPA導入済み」の回答割合を2018年と2019年で比較したグラフが図2である。

図2:年商5~50億円企業では、「RPA導入済み」の回答割合が減っている(出典:ノークリサーチ)図2:年商5~50億円企業では、「RPA導入済み」の回答割合が減っている(出典:ノークリサーチ)
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 年商10~20億円と年商20~50億円では、2018年から2019年にかけて「RPA導入済み」と回答した割合が減っている。つまり、これらの年商帯では、「RPAをいったんは導入したものの、利用が続かなかった」ユーザーが存在する。

 年商5~50億円の企業に対して、「RPAを主導する部門」(誰がRPA導入を主導したか)も調査した。「RPA導入済み」が減った年商10~20億円や年商20~50億円では、「IT関連部門」との回答が減っている。

 このことから、年商10~20億円や年商20~50億円は、年商5~10億円と比べてITスキルが高いため、「RPAはIT関連部門の支援がなくても導入できる」と判断していることが見てとれる。一方で、実際には管理/運用面で上手く行かなかったためにRPAの利用が続かなかったのではないか、とノークリサーチは見ている。

 RPAは、ITスキルがなくても導入/運用できると思われている。しかし、実際には、既存の業務システムと同様に、IT部門やIT関連担当者、あるいはSIベンダーによる運用管理が必要になるという認識を持ったほうがよい、とノークリサーチは指摘する。

●Next:中堅・中小企業で今後伸びるRPAの適用分野

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