WHOからパンデミック認定がなされた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。感染拡大が止む気配は見えず、世界レベルで経済や社会に深刻な影響を与えている。数年来叫ばれてきたデータ分析・活用は、こうした緊急事態でこそ威力を発揮するはずなのだが、日本のIT企業や関連団体から目立つ動きがない。
中国湖北省の武漢市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症が認められたのは、2019年12月10日とされる。アウトブレイクした疫病は3カ月後の2020年3月13日時点でパンデミックと認定され、120カ国以上に蔓延し、感染者総数は12万人に及び、死者は4600人を超えた。
急速に患者数が増えている韓国、イタリア、イランばかりでなく、フランスやドイツやスペインや米国でも爆発的な流行になる怖れがある。終息どころか収束の見込みも立っていない。ダウや日経平均株価は急落し、円は急騰し、石油は暴落して世界経済に与える影響が2008年のリーマンショック並みかそれ以上になりそうだ。
日本の状況を振り返ると、最初の感染者が認められたのは1月23日。訪日客が増える中国の旧正月(春節、1月24日~30日)を経て、2月1日から湖北省に滞在歴がある外国人や同省発行のパスポート所持者の入国制限に踏み切った。一方、2月3日には横浜港に着岸したクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」において香港で下船した乗客の感染が認められ、検疫のために14日間、乗客乗員を船内隔離した。だが3月1日に全員が下船するまで感染者が拡大し、結果的に696名の感染者と7名の死亡者を出してしまった。
バタバタでもリモートワークに踏み切る企業が増加
2月中旬には、国内で急激に感染者が増え始めた。政府は接触感染のリスクを低減するため、イベントなどの必要性を検討するよう要請(2月20日)、イベントを中止・縮小するよう要請(2月26日)、小中高校の休校を要請(2月27日)、といった具合にバタバタと要請を発表している。結果、時差通勤や集会、イベント、会食の中止が目立つようになり、出張や訪問まで制限するようになった。
それでも業務を回さなければならないことから、積極的にテレワーク/リモートワークを取り入れる企業が増えた。例えば、1月27日からGMOインターネットグループが4000人を対象に、2月26日には資生堂が8000人を対象に、電通が汐留本社ビルの社員5000人を対象に、期間限定の大規模なリモートワークを導入している。これらの大手企業が一斉にリモートワークを採用できたのは、危機管理体制としてインフラを整えていたか、働き方改革の一環としてすでに導入していたから即応できたものと思われる。
実際にどのくらい業務が回っているのかは後のレビューを待ちたいが、大手企業でなくとも容易にリモートワークができる時代であることは間違いない。Microsoft Teams、Zoom、LINE、Google Hangouts、Viber、V-CUBEなどリモートミーティングのためのツールがたくさん出揃い(写真1)、BoxやDropboxやGoogle Driveのようなクラウドストレージを使えば共有ファイルにアクセスできる。もちろん、環境的にインフラ整備が容易になったことと、セキュリティ対応やリモートワークを支障なく取り入れられる企業文化や人事労務制度の整備があることとは別である。実態からすれば、多くの企業がバタバタのリモートワークをやっている姿が眼に浮かぶ。
写真1:リモートミーティングに不慣れな企業も今回ようやく重い腰を上げたようだ(出典:Zoom YouTube公式チャンネル)●Next:今こそデータ活用、IT企業・組織の出番のはずだが……
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