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日立ソリューションズ、サプライチェーンのデジタルツインを構築して製造プロセスの改善を支援するクラウドサービス

2020年7月17日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立ソリューションズは2020年7月15日、サプライチェーンのデジタルツインを構築して製造プロセスの改善を支援するクラウドサービス「グローバルSCMシミュレーションサービス」を開始した。価格は、個別見積もり。

 デジタルツインとは、現実世界の機器や設備の状況、稼働データなどを用いて、サイバー空間に現実と同じ環境を再現する技術のことである。サイバー空間で実施したシミュレーションの結果を、現実世界で役立てられる。グローバルSCMシミュレーションサービスは、サプライチェーンのデジタルツインを構築することによって、製造プロセスの改善を支援するクラウドサービスである(画面1)。

画面1:画面でシナリオを提示したイメージ(BIツールを利用した例)(出典:日立ソリューションズ)画面1:画面でシナリオを提示したイメージ(BIツールを利用した例)(出典:日立ソリューションズ)
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 既存のサプライチェーンのデジタルツインを構築し、数理最適化手法を用いた計算モデルを利用し、売上や利益、キャッシュフローの目標値を実現するための生産量や調達経路、販売経路、輸送経路など、さまざまなシミュレーションを行える。需要増加に対応するための生産計画、災害が発生した際の調達経路の見直し、新たに参入する地域での販売計画、輸送経路の統廃合の計画など、さまざまな用途で利用できる。

 特徴の1つは、複数のシナリオを提示して、トータルコストの比較や製造プロセスの改善を支援すること。需給量の変動や生産・販売施策を組み合わせた複数のシナリオで利益やコストを比較する。企画、営業、製造部門が、データに基づき議論できるようになる。担当者の勘や経験に頼らず、合理性の高い意思決定を迅速に行える。

 IoT機器からリアルタイムに取得できる設備稼働時間や生産量、作業員の作業実績、消費電力などのデータを活用する。これにより、より高精度なシミュレーションができる。生産計画に対する実績として比較することもできる。目的に応じてシミュレーションできる。

 製造業では従来、事業の企画部門や営業部門、製造部門ごとに年度計画が作成され、担当者の経験による判断ですり合わせが行われるなど、製造プロセスの改善までのリードタイムが長くかかっていた。このような課題解決を目的に、製造業の企業において、売上や利益などの目標値に応じて事業計画や生産拠点の最適化をシミュレーションするシステムを構築し、検証してきた。

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