国際基督教大学(ICU)は、BCP(事業継続計画)対策の強化を目的に、情報システムのバックアップデータをクラウドで複製する仕組みを導入した。Arcserve UDPで取得したバックアップデータを、Arcserve UDP Cloud Hybridを用いて国内のクラウドに複製する。バックアップの製品・サービスを提供したArcserve Japanが2020年8月27日に発表した。
国際基督教大学(ICU、本部:東京都三鷹市)は、2011年3月の東日本大震災をきっかけに、学内に点在していた物理サーバーをVMware vSphereによる仮想化環境へ移行した。2017年には、データバックアップ専用サーバー機「Arcserve UDP Appliance」を導入。さらに、災害時のBCP対策として、同一基盤を2カ所に構築し、学内でシステムを2重化している。
2020年4月には、将来的に起こりうる大規模な自然災害に備えて、BCP対策をさらに強化する必要があるとの考えから、クラウドを使った遠隔地バックアップを検討し、Arcserve UDP Cloud Hybridを導入した。Arcserve UDP Applianceで取得したバックアップデータを国内のクラウドに複製できるサービスである(関連記事:Arcserve、クラウドバックアップサービスで国内データセンターを選択可能に)。
ICUは、東西2つのリージョンのうち西日本リージョンを採用し、遠隔地バックアップによって可用性を高めた。現在、仮想化基盤上にあるデータ容量の6割に相当する重要データをBCP対策としてクラウド上に保管している。クラウドバックアップの運用は自動化しているため、クラウドバックアップの導入による新たな負荷は発生していない。
また、2020年4月からの授業をオンラインによる遠隔授業に切り換えたことでアクセスが急増し、学習支援システムの拡張が迫られた(関連記事:国際基督教大学、2020年度春学期の全授業を原則オンラインに)。この際には、Arcserve UDPで標準で備える仮想スタンバイ機能を使ってシステムを移行した。今後は、サーバールームのシステム基盤そのものをクラウドに移行することを検討している。