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[プロセスマイニング コンファレンス 2021 LIVE]

「業務要件定義」が改革の“鍵”──課題深掘りでプロセスマイニングはこう使う!

2021年7月16日(金)岡崎 勝己(ITジャーナリスト)

デジタルによるビジネスプロセス刷新の動きが盛り上がりつつも、十分な成果が得られている企業はいまだ少数だ。一番の原因が、目的と手段を取り違えることにより活動が“改善”にとどまり、“変革”にまで至っていないことだ。6月29日にオンラインで開催された「プロセスマイニングコンファレンス 2021 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションでは、NTTデータ イントラマートで代表取締役社長を務める中山義人氏が、打開に向けた策を教示した。

課題の深掘りが不十分なことがプロセス“変革”の壁に

 DXを背景にしたビジネスプロセス刷新の動きが国内でも本格化している。そこで目指すべきは当然、従来からの“改善”を超えた、“変革”だ。RPAやAIなどによる業務自動化はいわば通過点。最終目標はプロセス全体で収集されるデータに基づく、新たな価値を継続的に生み出せる組織やプロセスへの脱却だ。

 だが、「プロセス刷新に取り組みながら、大半の企業はRPAによる業務自動化までにとどまっています」と、NTTデータ イントラマートで代表取締役社長を務める中山義人氏は指摘する。

株式会社NTTデータ イントラマート 代表取締役社長 中山 義人氏

 その理由として中山氏が挙げたのが、プロセス刷新の「目的とゴールが曖昧なこと」だ。それは仕方のない面もある。プロセス刷新の進め方にはそもそも明確な解が存在しない。企業の置かれた状況はそれぞれ異なり、どう見直すべきかも千差万別であるからだ。そのために自社の課題を十分に深掘りできず、As-Is(現状そのまま)でプロジェクトを進めがちなことが、変革の“壁”になっている。

 「現状を前提とした業務自動化でも確かに一定の効果は期待できます。しかし、プロセス刷新の本質はTo-Be(理想のあるべき姿)モデルへの転換です。それを抜きにしては、最終目標への到達は到底不可能なのです」(中山氏)。

業務要件定義をプロセスマイニングで支援

 中山氏が業務改革の実現のために何より重要だとするのが、組織の肥大化や細分化、各部門への継続的な業務追加などによって極めて複雑化した現状の業務プロセスを可視化し、To-Beモデルに再構成する「業務要件定義」だ。

 「目的と手段を混同し、プロセス刷新を“改善”どまりにさせないためにも、まずは手段であるシステム要件の定義前に、目的である業務要件について十分に議論する必要があります」(中山氏)。

 業務要件定義を基にシステム要件を固め、システム基盤の整備につなげ、運用開始後はシステムから得られる各種データを基に効果を検証しつつ、改善サイクルを高速に回す──これが、中山氏が提示する在るべきプロセス刷新の道筋だ。

 その実現の支援に向け、NTTデータ イントラマートが2021年2月から提供を開始したのが、プロセスマイニング技術により業務全体を俯瞰的に可視化したうえで、業務課題の発掘による業務要件の定義から、システム要件の定義、ローコードでの開発、テスト、運用までをカバーするトータルサポートサービス「IM-QuickActivate」である。

DX業務改革の実現手法「IM-QuickActivate」
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業務要件定義の3ステップ

 IM-QuickActivateでの一連の支援のうち、「業務要件定義」は次の3ステップで実施される。

  1. 目的/目標の明確化
  2. 現状業務可視化と目的/目標阻害要因の抽出
  3. 新業務プロセスの設計

 まず目的/目標を明確化し、従来からのヒアリングとプロセスマイニングとを組み合わせ、事業単位のプロセスの可視化と課題抽出を行う。その後、作業過程で得られた各種データでシミュレーションを実施し、プロセス見直し後の有効性を検証しつつ、可視化の範囲を同様のアプローチで自社内から取引先、さらに商流/金流/物流にまで拡大。業務の抽象度を高めつつ、プロセス改革のスコープを広げ、より大きな目標/目的の明確化につなげていく。

 中山氏によると、これらの作業に要する期間は現状業務の可視化で1カ月、改善案の探求で2カ月、合わせて3カ月間ほどだ。

 「可視化されたプロセスと会社の方向性などを突き合わせ、目標を整理してスコープを定めて具体的なゴールを決定することになります。ポイントは、目標は高く持ちつつ、プロジェクトは現場に混乱を来たさないよう小さく始めることです」(中山氏)。

全体最適への移行を支えるプロセスマイニング・ツール

 この流れの中で不可欠となるのが「阻害要因の抽出」だ。業務でボトルネックが生じる一番の原因は標準から逸脱したプロセスである。これは内部統制上の大きなリスク要因でもある。そこで、既存システムのイベントログからプロセスマイニング技術ですべての活動を抽出し、ボトルネックやイレギュラー、ルール逸脱のプロセスを、実施回数や処理時間などを基に発見して取り除く。

プロセスマイニングでボトルネックやイレギュラー、ルール逸脱を排除
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 そのうえで、あるべき業務プロセスを設計するために「新プロセスの設計/シミュレーション」も実施するが、ここでもプロセスマイニング技術が力を発揮する。抽出したプロセスに基づくシミュレーションを実施し、「コスト」「時間」「リソース消費」を算出。As-IsとTo-Beの結果を照らし合わせてプロセス最適化を進めるのである。

プロセスに基づくシミュレーションで最適化を進める
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 「プロセスマイニングにより業務負荷の程度も可視化できるほか、RPAに業務を置き換えた際のコストや時間、また、置き換えによりボトルネックがどう変化するかもデジタルツインで確認できます。これらの組み合わせを通じて、デジタル化後の費用対効果の高い水準での予測が可能になるわけです」(中山氏)。

 NTTデータ イントラマートが、これらの作業を行うために採用したプロセスマイニング・ツールが、独Signavio社の「Signavio Process Manager」だ。同ツールはプロセスマイニング機能を包含する、運用コストや顧客体験を改善するためのプラットフォームに位置付けられる。

 シグナビオ・ジャパン Managing Directorのトーマス・ツィママン氏は、「DXサイクルを回すためには、プロセスを最適化し、連携させて業務をデザインし、検証まで行えなくてはなりません。そのための機能に加え、高い使い勝手、さらに顧客とのやりとりでの課題抽出に向けたカスタマージャーニーマッピング機能の3つを兼ね備えているのが、部分最適から全体最適への移行支援に向けたSignavio Process Managerの強みです」と強調する。

シグナビオ・ジャパン株式会社 Managing Director トーマス・ツィママン(Thomas Zimmermann)氏

8200社の業務改善のノウハウもコンサルティングの武器

 IM-QuickActivateは、「業務要件定義」だけでなく、「システム開発とプロセス実行」「運用と改善」までカバーする。

 「システム開発とプロセス実行」ではBPMN(Business Process Model and Notation)で記述したTo-Beの業務プロセスの、ローコードによるアジャイル開発でのBPMS(Business Process Management System)への実装と、各ワークフローの処理対象者に割り当てられたタスクを管理できる仕組みの整備、「運用と改善」では、タスク管理の仕組みを活用した業務パフォーマンス監視へのアドバイスなどが主な支援内容だ。

 中山氏は、「当社が業務改善を支援してきた企業は8200社以上にのぼります。そこでの豊富なノウハウが評価され、IM-QuickActivateへの問い合わせが相次いでいます」と述べ、管理者レベルの課題解決を足掛かりに、組織をまたいだプロセス刷新で活用を進めているトッパンフォームズの事例などを紹介した。

 プロセスマイニングによる複雑な業務プロセスの可視化を通じ、より大きな目標設定を支援するNTTデータ イントラマートのIM-QuickActivateは、業務プロセス刷新に乗り出す企業にとって有力な選択肢となるはずだ。


●お問い合わせ先

株式会社NTTデータ イントラマート

https://www.intra-mart.jp/
E-mail:info@intra-mart.jp
TEL:03-5549-2821

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