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[プロセスマイニング コンファレンス 2021 LIVE]

“賢い”自動化をプロセス・マイニングで加速、豊富な機能群による“幅”と“深さ”も差別化のカギに

2021年7月29日(木)

DXのトライアルに着手しつつも、そこから本番展開につなげられない企業が少なからず散見される。根本にある原因が、組織や業務プロセス、システムなどの問題から、デジタルによる変化に対応しきれないという現実だ。6月29日にオンラインで開催された「プロセスマイニングコンファレンス 2021 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションでは、そこからの脱却に向けた道筋とプロセス・マイニングの活用法、さらにハイパーオートメーションでの意義について、日本アイ・ビー・エムの西垣智裕氏と斎藤英夫氏が解説した。

トライアルと本番移行の間での深い“溝”

 DXの推進に向けた机上の検討フェーズを終え、いよいよ特定部署でのトライアルに着手する企業が国内でも相次いでいる。ただし、「DXの難しさに直面するのはここからが本番です」と語るのは日本アイ・ビー・エム(以下、IBM)の西垣智裕氏だ。

日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・ビジネス・サービス事業本部 コグニティブ・プロセス・オートメーション部長 西垣智裕氏

 そのことは、IBMがグローバル5000社に実施した組織の成熟度調査から見て取れる。そこで明らかとなった、DXのトライアルから定着フェーズへの移行に向けた“壁”が下記の3つだ。

  1. 業務のサイロ化や人手での例外業務が多いことに起因する業務の複雑化
  2. システムの複雑化による課題発見の困難さ
  3. 変化を前提としてこなかった経験不足による、DXに対しての組織と人の柔軟性の欠如

 西垣氏は、「DXが定着した企業では、ERPのグローバル標準に合わせる等、システムと業務のエンド・ツー・エンドの整流化を終え、AI等の最新デジタル技術を活用して環境変化へのプロセスの動的対応をすでに実現しています。対してトライアル段階にとどまる国内企業の大半は、上記の3つの“壁”がデジタルによる変化対応を困難にさせています。この状況の打開を抜きにしては、トライアルから定着フェーズへの脱却は到底困難です」と打ち明ける。

独自の自動化の方法論を支えるプロセス・マイニング

 そこから脱却するための方策としてIBMが提案するのが、同社独自の自動化の方法論「インテリジェント・ワークフロー」だ。組織横断の最適なオペレーションにより、人の介在を極小化させ業務継続性を向上させる「横断的」、ルールやプロセスが新たな洞察に応じて、動的・自動的に変更する「動的」、社内外のデータを活用した知見に基づく、人間的判断も含めたワークフロー形成のための「人間とテクノロジーの協働」の3つが特徴のアプローチで、その実践を通じて、上記課題に関する組織やルール、プロセスのタイムリーな書き換えを実現するという。

DXを成功させるインテリジェント・ワークフローの考え方
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 IBMでは、インテリジェント・ワークフローを加速させる鍵となる技術として、各種システムのログデータから業務プロセスの可視化を実現するプロセス・マイニングに着目し、現在、パートナーとの協業を推進中だ。狙いは、DXの確実な推進にある。

 DXの進捗の程度は、部門から全社までのプロセスの範囲と、RPAやAIなどの技術的な成熟度という2つの尺度で測定できる。そして、両者を一気に引き上るのは、既存の仕組みや技術、人などのしがらみなどから現実的に難しい。プロセス・マイニングによる業務可視化は、そこでのDXのスコープと採用する技術の見極めに向けた貴重な判断材料となる。

インテリジェント・ワークフローにおけるプロセスマイニングの活用イメージ
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 「我々が推奨するのは、スモールスタートで成功体験を創り、その意義を組織として共有して範囲を拡大し、最終的に全社や取引先を含めたインテリジェント・ワークフローにつなげていく手法です。その間、プロセス・マイニングにより把握したプロセスを基に、スコープの範囲と、それに応じた適切な技術選定を通じて、定型業務のRPAによる置き換え、データとAI活用、さらに業務データのモニタリングによる、業務プロセスの自動変更といった具合に、技術とその活用レベルを段階的かつ円滑に高められます。初期スコープや目的を定義する目標設定から実装までを支援するアセスメントも提供中です」(西垣氏)。

 インテリジェント・ワークフローによるDXですでに成果を上げているのが花王だ 。同社では経理業務でのPRAの導入と、人とロボットの担当作業の適切な切り分けを通じて、人が行う請求書のチェック関連作業を8割削減。すでに人の業務のAIへの置き換えによる自動化にも着手しているという。

業務可視化はハイパーオートメーションの第一歩

 IBMでは、RPAツールなどによる業務自動化の範囲拡大とインテリジェント化のためのハイパーオートメーション製品「IBM Cloud Pak for Business Automation」を提供しており、その中にもプロセス・マイニング技術はすでに取り込まれている。

 IBMの斎藤英夫氏は、「見えない業務は自動化/インテリジェント化できません。その点で、プロセス・マイニングによる業務プロセスの可視化はハイパーオートメーションに不可欠かつ、最初の一歩の取り組みに位置付けられます」と解説する。

日本アイ・ビー・エム株式会社 テクノロジー事業本部 データ・AI・オートメーション事業部 オートメーション・テクニカル・セールス 斎藤英夫氏
IBMのハイパーオートメーション
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 IBM Cloud Pak for Business Automationにはプロセス・マイニングを生かした業務自動化やインテリジェント化の機能が豊富に用意されている。まずは、「プロセスの視覚化」だ。プロセス分析の結果は即座に業務プロセスのフロー図として可視化される。加えて業務実行の頻度、手戻りの頻度やプロセスに要する期間、コストなどの切り口別の分析結果も色の濃淡によって判別でき、ボトルネックの発生個所などを即座に確認できる。

 そこから踏み込み、モデリング製品「IBM Blueworks Live」による在るべき業務モデルをBPMNで設計/インポートしての「モデル間の比較」も実現している。両者を突き合わせてのプロセスの差異や、そこで生じるコストや時間の把握を通じ、イレギュラーなプロセスなどの根本原因を突き止め、見直しにつなげられる。

 プロセス分岐のビジネスロジックを基に、ルール・マイニングによって「ビジネス・ルールの自動検出」も可能だ。「IBM Operational Decision Manager」などのルール・エンジン製品へのビジネス・ルールの実装につなげていくことが可能になる。

ダッシュボードでの「KPIの監視」も行える。「KPIとしてリードタイムやコスト、アクティビティの待機時間などが標準的に用意されています。分析用のダッシュボードはローコード開発によるカスタマイズも可能です。ルール違反の購買管理ツールの利用も、支払い期日をKPIとする分析により炙り出せます」(斎藤氏)。

 RPAの採用前に、「デジタル・ツインによる検証」も行える。現状のプロセスから、人手とロボットでの作業割合やロボット数、プロセスやルールを変更した複数のシナリオを策定し、シミュレーションを実行することができる。また、IBM Blueworks Liveやワークフロー製品「IBM Business Automation Workflow」で作成したBPMNモデルを利用してシミュレーションを行うこともでき、ROIの見極めに大きく貢献する。

 システムではなく現場のPCデータの利用データから、プロセスをサブプロセスに分解して検証する「タスク・マイニング」も実施できる。ログデータからは見極められないPC上で行っているタスク処理をマイニングすることで、プロセスのより深い分析に役立てることができる。

 「柔軟なライセンス体系もIBMのプロセス・マイニングの特徴です。IBM Cloud Pakとしての提供を通じ、1ライセンス(※1)あたり3つの業務プロセス分析が実施できるほか、 ライセンスの範囲内で対象プロセスも自由に変更でき、ユーザー数も無制限。現場での自由な分析を促進できます」(斎藤氏)。

 独自の方法論であるインテリジェント・ワークフローと、プロセス・マイニングと連携する多様な自動化技術を両輪に、日本IBMのDX推進に向けた存在感は今後、さらに増すことになりそうだ。

(※1)ここでのライセンス体系とは、IBMが主にクラウド環境での使用を想定している製品で採用している「Virtual Processor Core(仮想プロセッサーコア)」を基本単位とし、プロセスの数をカウントして交付・課金する。


●お問い合わせ先

日本アイ・ビー・エム株式会社

URL: https://www.ibm.com/jp-ja

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