富士フイルムは2021年9月7日、データバックアップ用テープストレージメディア「FUJIFILM LTO Ultrium9 データカートリッジ」の販売を開始した。テープ規格「LTO Ultrium」の第9世代に準拠している。記録容量は最大45TB(非圧縮時18TB)で、第8世代準拠の従来品「LTO Ultrium8 データカートリッジ」の1.5倍の最大容量となった。価格はオープン。
富士フイルムの「FUJIFILM LTO Ultrium9 データカートリッジ」は、データバックアップ用のテープストレージメディアである(写真1)。テープ規格「LTO Ultrium」の第9世代に準拠している。記録容量は、LTO Ultrium8の1.5倍となる最大記録容量45TB(非圧縮時18TB)を実現した。データ転送速度はテープドライブ(装置)によって異なるが、最大1000MB/秒(非圧縮時400MB/秒)としている。
データバックアップ媒体としての磁気テープのメリットは、大容量データを低コストで安全に長期保管できることである。また、データの保管時に常時通電する必要がないことから、ハードディスクドライブ(HDD)に比べて、データ保管において発生するCO2の排出量を95%削減できるとしている。
昨今、映像データの大容量化やネットワークの高速化、IoTの進展、AIを用いたビッグデータ解析の普及などの要因で、世の中のデータ量が爆発的に増えている。中でも、生成から時間が経ってアクセス頻度が低くなった「コールドデータ」が、全データの8割以上を占める。こうしたコールドデータの保管手段として磁気テープの需要が高まっているという。