ガートナー ジャパンは2021年11月25日、「日本におけるユーザー・エクスペリエンスのハイプ・サイクル:2021年」を発表した。ユーザー体験(UX)の向上に関係する主要なテクノロジーを27個取り上げている。同社によると、VR(仮想現実)は「幻滅期」の底を越えて普及に向かい、バーチャルオフィス(仮想オフィス)や没入型ワークスペースは「黎明期」に位置して期待が高まっているという。
米ガートナー(Gartner)のハイプサイクル(Hype Cycle)は、テクノロジーやサービス、関連する概念、手法などの項目の認知度や成熟度を視覚的に示したグラフである。テクノロジーが普及するまでに通過する5つの時期をハイプカーブと呼ぶ曲線で表し、各項目が現在どの時期にあるのかを示している(関連記事:ガートナー、先進テクノロジーハイプサイクル2021年版を発表、25の注目技術が信頼/成長/変化のトレンドを形成)。
ガートナー ジャパンが今回発表した「日本におけるユーザー・エクスペリエンスのハイプ・サイクル:2021年」は、ユーザー体験(UX)の向上に関係する主要なテクノロジーを取り上げている。以下の4つの領域から合計で27のテクノロジーをプロットしている(図1)。
- ユーザーインタラクションに関するテクノロジー(AR〈拡張現実〉、VR〈仮想現実〉、MR〈複合現実〉、スマートスピーカーなど)
- 自律行動型のデバイスに関するテクノロジー(スマートロボット、次世代ドローンなど)
- デバイスやエンドポイント向けのワイヤレス通信(Wi-Fi、5Gなど)
- 知覚や嗅覚など人を代替、あるいは拡張するための未来型テクノロジー(五感センサー、ライブ顔認証、双方向ブレインマシンインタフェースなど)
拡大画像表示
UXのハイプサイクルでは、VR(仮想現実)が「幻滅期」の底を越えて普及に向かっている。バーチャルオフィス(仮想オフィス)や没入型ワークスペースは「黎明期」に位置しており、期待が高まっていている。「過度な期待のピーク期」には、スマートワークスペース、Wi-Fi 6/802.11ax、MR(複合現実)などをプロットしている。5GやDaaS(Desktop as a Service)は、過度な期待のピーク期を過ぎて幻滅期に入っている。
ガートナーは、「2021年現在、従来の従業員向けテクノロジーが成熟する一方で、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するテクノロジーに過度な期待が寄せられ、ハイプ(hype:過熱した、誇大な)状態になっている」と指摘する。また、ユーザーIT環境はテクノロジードリブン型からユーザーセントリック型へのシフトが起こっているなど、人にとって使いやすく心地よいテクノロジーの重要性が増しているという。
(関連記事:デジタルワークプレイス関連記事一覧)
[編集部より]
IT Leaders編集部は、バーチャルオフィス製品・サービスをはじめとする「デジタルワークプレイス」をテーマにしたオンラインライブ配信ウェビナーを2021年12月1日に開催いたします(聴講無料・事前登録制)。この分野のエキスパートと先進ユーザーのセッションを通じて、自社での戦略策定や技術・製品の見極め、実現に向けたアクションを明らかにするウェビナーに是非、ご参加ください!