アイ・ティ・アール(ITR)は2022年1月14日、国内でのオンライン商談システム市場について、市場規模の推移と予測を発表した。2020年度の売上金額は26億円で前年度から倍増した。コロナ禍で訪問営業が制限されたことにより、企業間(B2B)での商談需要が急増した。現在は、企業と一般消費者間(B2C)での導入が進んでいる。同市場のCAGR(2020~2025年度)は19.0%で、うちB2Bはマイナス20.3%、B2Cは66.5%の成長を予測している。
ITRは、国内オンライン商談システム市場について、市場規模の推移と予測を発表した。電話とWebブラウザを組み合わせた遠隔営業支援システムで、ビデオ通話(資料共有など可能)の開始ボタンなどを配置し、Webブラウザ上で即座に商談を開始できる機能を備えた製品・サービスを対象とした。PC画面共有、トークスクリプト表示、テキストチャット、商談記録といった機能が含まれる(図1)。
拡大画像表示
調査によると、同市場の2020年度の売上金額は26億円で、前年度から倍増した。コロナ禍で訪問営業が制限されたことにより、企業間(B2B)での商談需要が急増したという。2021年度の市場規模は、Web会議システムを商談に活用する企業も増えていることから伸びがやや落ち着き、26.9%増になると予測している。
B2Bでの導入が一巡して縮小していく一方で、急速に進んでいるのが、企業と一般消費者間(B2C)での導入であるという。「これまで一般消費者が金融機関などの窓口に直接訪問して相談・契約していた業務の代替として、オンライン商談システムを導入する企業が増えている」(同社)。
ITRは、オンライン商談システム市場全体のCAGR(2020~2025年度)は19.0%で、このうちB2Bがマイナス20.3%、B2Cが66.5%と予測している。
「オンライン商談システム市場のターゲットは、来店や訪問による対面接客を行っていたB2C企業に急速にシフトしている。なかでも、金融・保険業で導入が急拡大している。今後は、高齢の富裕層向けの旅行、不動産、百貨店などの接客業務での利用拡大が見込まれる。接客・購買・契約のプロセス全体のデジタル化に向けて、チャットボット、ECサイト、電子契約といったサービスとの連携が進むことにより、活用シーンはさらに拡大する」(同社)
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:SFA/統合型マーケティング支援市場2022』に詳細を掲載している。同レポートには、SFA市場、統合型マーケティング支援市場、名刺管理市場、セールス・イネーブルメント・ツール市場およびオンライン商談システム市場の全5分野を対象に、国内48ベンダーへの調査に基づいた2019~2020年度売上げ実績および2025度までの売上げ予測を掲載している。