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[IT Leaders Tech Strategy LIVE「ローコード/ノーコード開発」を究める]
「市民開発」の台頭と、それをフルカバーして加速するプラットフォームのあり方
2022年3月8日(火)
IT Leadersは2022年2月1日、オンラインセミナー「『ローコード/ノーコード開発』を究める」を開催した。当日の注目セッションの中から、本稿では、ServiceNow Japan 合同会社が「ローコード開発による民主化とは? 増え続けるアプリ開発要求への対応と将来像」をテーマに講演した内容を概説する。
「増え続けるアプリケーション開発のニーズに応えるためには、市民開発者による対応が不可欠。それを現実のものとするのがローコード/ノーコード開発ツールなのです」──。ServiceNow Japan 合同会社の加藤確氏(ソリューションセールス統括本部 プラットフォーム事業部 事業部長)は、ローコード/ノーコード開発ツールが求められる背景をこう説明する(図1)。
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アプリケーション開発を取り巻く状況は、この何年かで大きく様変わりした。要求が一気に増え、1つひとつの要件も複雑さを増している。これまでは年単位や月単位でとらえていた開発期間も今や週単位や日単位へと短くなっている。対象となる業務の範囲も拡大しているのは周知の通りだ。ローコード/ノーコード開発を前提に、業務をいかにアプリケーション化していくかが問われているとも言えるだろう。
加藤氏は、ローコード/ノーコード開発に取り組む企業の1つとしてカルビーを紹介した。出社管理をリアルタイム化するアプリケーションを、ServiceNowのNow Platformを使って実働8日間で開発した事例である。最初はExcelマクロと人的作業で情報を集約しようとしたが、Now Platformを導入済みだったことから、これを基軸に開発することに方針転換し、短期間のうちに構築を完遂したという。こうした動きが今後ますます活発化してくるものと見られる。
自律的業務フローを構築できるPaaS基盤
ServiceNowは、ITSM(ITサービス管理)をはじめ、カスタマーサービスや業務ワークフローといったアプリケーションをSaaS型で提供している。アプリケーション開発基盤(PaaS)のNow Platformをベースに据え、この上に用途ごとのSaaSを実装しているのが特徴的だ。ユーザーは、SaaSを利用するだけでなく、PaaS機能を使って任意のワークフローシステムを開発できる。
加藤氏は、Now Platformのユースケースをいくつか紹介した。1つ目のユースケースは、アプリケーションのUX(ユーザー体験)を改善する使い方である。Microsoft 365など既存のグループウエアだけでは業務の要求に追随しにくい場合に、Now Platformを導入して改善する。PaaS機能を使って、申請ワークフローなどを開発する方法がポピュラーだ。
2つ目のユースケースは、システム連携である。SAP ERPなどの基幹システムに手を加える工数は大きいので、これら基幹システムをそのままの状態で稼働させつつ、Now Platformを組み合わせる。これにより、基幹システムの使い勝手を高めたり、複数のシステムを統合したりする。例えば、人が介在する業務プロセスをワークフローで自動化するといったことが可能だ。
加藤氏は、デジタルトランスフォーメーション(デジタル変革、DX)の実現にあたり、「複数のシステムをワークフローで横断的につなぐことが重要」と説く。セッションで加藤氏は、ローンの受付プロセスの例を紹介。業務プロセスはチャットボットとの会話で始まり、ここで得た情報を基に、提供すべきローンをAIが判断し、適切な担当者に割り当てる。提案するローンの判断にあたり、基幹システムとのデータ連携も可能。最終的に承認プロセスを経て、手続きを完了する。実際に、こうしたインテリジェントなプロセスを組み立てることができるのだ。
ローコード開発で市民開発を促進するために
後半では、佐藤淳氏(ソリューションセールス統括本部 プラットフォーム事業部 ソリューションコンサルタント)が登壇し、Now Platformで実現できるノーコード/ローコード開発の詳細を説明した。Now Platformは、市民開発者がアプリケーションを簡単に開発するための機能にも十分に配慮しているという。
「アプリケーション開発者向けの専門的なツールしかない場合、需要の高まりに追随していくのが難しくなってしまいます。開発者の裾野を広げていくことが不可欠であり、現場の業務担当者が市民開発者となってアプリケーションを形にしていくことが決め手となるのです」と佐藤氏は強調する。
Now Platformでは、アプリケーション開発に必要なコンポーネントや、UIを開発するためのUIフレームワーク、ワークフローエンジン、AI技術などを提供。市民開発を支援する機能としては、ローコード/ノーコード開発ツールのApp Engine Studioを用意している。「ほとんどコードを書くことなく、外部システムへの連携も含めてロジックを組めるのが大きな特徴です」と佐藤氏は説明する。
App Engine Studioは、スクラッチ開発だけでなく、業務テンプレートを利用してアプリケーションを作っていけるのも魅力だ(図2)。外部システムのAPIの構造や呼び出し方法などを意識することなく、アイコンを線でつなぐだけでアプリケーション同士を連携させられる。どういった条件をトリガーにどういった処理を実行するのかも、アイコンの配置によって構築できる。
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拡張性やガバナンスにもしっかりとした配慮を
佐藤氏は、市民開発が進んだ際の注意点として、ミッションクリティカルなアプリケーションも市民開発によって生まれるようになることを指摘する。「市民開発においても、これまでのミッションクリティカルなアプリケーションと同様に、拡張性やガバナンスが重要になることは言うまでもありません」と佐藤氏。
そうした時代をしっかり見据えているのもApp Engine Studioのアドバンテージである。例えばガバナンス機能については、アプリケーション開発時には承認を受けた開発メンバーだけが、承認を受けたアプリケーションだけを作成できるように制御できる。また、アプリケーション配布時には、本番環境への適用前にテストを実施するなど、展開にあたってのパイプラインを強制できるようになっている。
市民開発は、誰もが簡単にアプリケーションを構築できるという点ばかりに意識を向けがちだが、事後の展開も含めて一連のアクションを意図通りに管理できることもまた極めて重要だ。そこまで配慮が行き届いているのが、真のローコード/ノーコード開発ツールと言うこともできるだろう。
●お問い合わせ先
ServiceNow Japan 合同会社
https://www.servicenow.co.jp/
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