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[データマネジメント2022]

データ活用のための新しいアプローチ「データファブリック」の全容

2022年3月31日(木)

DXのトレンドが加速するなか、データ活用のための新しいアプローチとして「データファブリック」への関心が高まっている。3月10日に開催された「データマネジメント2022」のセッションにTalendの渡辺元氏が登壇し、「世界のトレンドワード『データファブリック』~その全容と成功事例~」と題して、日本のデータ利活用の現状を打破する解決策となる新しいアプローチを解説した。

データを収集して管理する適切な基盤の整備が遅れている

 DXのトレンドが加速するなか、データ活用のための新しいアプローチとして「データファブリック」への関心が高まっている。渡辺氏はまず、ガートナーの「戦略的テクノロジのトップ・トレンド 2022」において、データファブリックが一番最初のトレンドに挙げられたことに触れ、世界的にもデータファブリックがホットなトレンドワードになっていると述べた。

 さらに、日本企業は欧米企業に比べてIT活用が5年は遅れていると言われるなか、「データファブリックはデータを扱う日本のお客様に大きなメリットをもたらす。最新トレンドを理解することで5年先の取り組みを先取りできる」と豪語する。

Talend株式会社 Regional Director Japan 渡辺 元氏

 予測困難な外部環境変化に対応するために、データに基づいた経営や意思決定を行う「データドリブン経営」の重要性が高まっている。渡辺氏は、日本企業におけるデータ活用の現状について、IPA(情報処理推進機構)が発表した「DX白書2021」の中身を引用し、下記のように解説する。

 「データに関する質問に対し、『達成している』と回答する企業数は日米で10倍の差があります。顧客価値の向上に向けてすべきことは、『データを分析する』『顧客の真のニーズを捉える』『早期にサービスを立ち上げる』『改善を繰り返す/仮説検証』の4つ。しかし、日本企業は、データ活用の基盤が整備されていないという課題を抱えています。部署間でバラバラでデータが連携しておらず、迅速でも有用でも安全でもありません。データを収集して管理するための適切な基盤の整備が遅れているのです」(渡辺氏)。

DMBOKで見る、データマネジメントに求められる要件

 そこで重要になるのがデータファブリックだ。渡辺氏はデータファブリックを「日本のデータ利活用の現状を打破する解決策」になるものだとし、次のように解説する。

 「データは21世紀の石油と呼ばれ、成功されているお客様は必ずデータを活用しています。データを石油と同じように吸い上げて分配することで利益を得ていきますが、そのデータは正確で健全でなければ意味がありません。精製して、きれいなデータを使う必要があります。石油の採掘であれば商社や石油会社の方がスペシャリストとなりますが、データの採掘に関してはTalendが専門家です」(渡辺氏)。

データは21世紀の石油、データ採掘の専門家が必要

 データを石油のように採掘して活用するための教科書の1つが「DMBOK(Data Management Body of Knowledge)」だ。DMBOKの章立てでは、前半(1~4)で「データモデリング」から「データウェアハウス(DWH)&BI」までのデータを分析するための項目を取り扱い、後半(5~10)において「データインテグレーションと相互運用性」「リファレンス&マスターデータ」「メタデータ」「データクオリティ」「データセキュリティ」「データガバナンス」という、インフラ基盤の整備に関わる項目が解説されている。

 「基盤を整えていかに正しいデータ分析を行なっていくのか。DMBOKが掲げる5から10の取り組みを推進し、日本企業の課題となっているデータ基盤を整えるものがデータファブリックです」(渡辺氏)。

DMBOKに基づいたデータマネジメントを提供するTalend

「データ収集8割」から「データ分析7割」へシフト

 では、実際にどのようにデータファブリックを構築していくのか。渡辺氏はデータファブリックの概念について「バラバラになったデータの点を糸でつなぎ、さらに布、ファブリックのように全体を織っていくことが重要です。これにより、即座に情報を取り出せるような環境を作ります」と述べ、こうしたデータファブリックを提供するのがTalendだと解説した。

 データファブリックの価値は、データ活用の効率化とビジネス成果への貢献にある。データがカオスになっている状態から、データを集め、ガバナンスを効かせて、きれいな状態にトランスフォームして、データをやり取りできるようにシェアすることで、ようやく分析ができるようになる。現状ではデータ活用の労力のうち8割を占めるとも言われるこれらの作業を削減し、分析・活用をスムーズに実施できるようにするのがデータファブリックだ。

 実際、世界最大のビール会社であるベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev)では、従来、100を超えるシステムに23個の統合ツールでデータを連携していたため、データ収集に8割の労力がかかっていた。そこで、Talendを活用して、必要なデータを自動的に抽出/加工、分析できるようにして、データ分析に7割の労力をかけられるように改善。500を超えるビールブランドで消費者の嗜好分析、低カロリービールや季節の嗜好の要求分析、店舗やバーの体験改善、サプライチェーンの最適化、商品開発につなげている。

ベルギーAB InBev社の成功事例
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データファブリックを構成するための機能と「データの健全性(Data Health)」を提供するTalend

 Talendが機能として提供するのは、データファブリックを構成するために必要となるデータインテグレーション、データハブ、API、データクオリティ、マスターデータ、メタデータ、データカタログ、ガバナンス、セキュリティなどの一連の機能だ。

Talendで実現する「データファブリック」の代表例
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 「Talendの特徴は、ネイティブな開発環境で統合されたプラットフォームであること、最新テクノロジーに対してコミットメントしていること、ガバナンス(守り)と拡張性(攻め)の両立を図っていることにあります。Talendジャパンは、“データが常に健全である世界”を日本に浸透させるべく日々活動しています」(渡辺氏)。

 Talendの導入企業は大手企業を中心に世界7250社以上に達し、業種も金融/保険からメディアまであらゆる業種業態に及ぶ。そうした事例で培った知見やノウハウを日本企業にも提供していくという。

 さらに渡辺氏は、Talendが提唱するコンセプトとして、「データの健全性(Data Health)」をあげた。データの健全性というのは、単にクリーンで最新のデータをキープするということではなく、データが、組織がビジネスの成果を上げるためにどれだけ役立てられているかを示す指標となる。テクノロジーやツールの導入と同時に、身体の健康と同じように、予防し、処置し、継続していくことが重要であるというのがその意味するところだ。

 セッションでは、仏エールフランス航空がフライト中からセンサーデータを分析して故障の予防保全を行なっている事例や、米eBayが老朽化したデータプラットフォームを刷新して、管理効率の向上や開発サイクルの短縮、ガバナンス確保とコスト削減を達成した事例、英アストラゼネカがデータ準備を効率化し臨床試験の時間を短縮した事例なども紹介された。

 最後に渡辺氏は、「データを活用してビジネス目標を達成するためには、利益最大化に向けて目標やゴールを明確化し、組織にあったDXに取り組んでいく必要があります。ただ、データを駆使したビジネスゴールの達成は、組織それぞれで異なります。Talendは、組織それぞれに最適な『成功の秘訣』を提供していきます」と述べ、講演を締めくくった。


●お問い合わせ先

Talend株式会社

問い合わせフォーム:https://www.talend.com/jp/contact/
TEL:03-6205-3101
URL:https://www.talend.com/jp/

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