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[ザ・プロジェクト]

“建設DX”に邁進する熊谷組が明かした、基幹システム全面刷新の長い道のり

2022年5月30日(月)神 幸葉(IT Leaders編集部)

熊谷組がデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の根幹として、基幹業務システムの全面刷新に取り組んだ。“老朽化したERPからの脱却”をコンセプトにした、実質約7年に及ぶ長期プロジェクトである。2022年5月26日、ワークスアプリケーションズ主催の「Works Way 2022」のセッションに熊谷組 経営戦略室 DX推進部部長 鴫原功氏が登壇。長年運用したERP/基幹システムが抱える諸課題から、第三者保守サービスへの移行、新会計システムの採用に至る取り組みを詳らかにした。

長年運用したERPに諸課題、基幹システム刷新を決断

 大手ゼネコンの熊谷組は、1999年に基幹業務システムをオフコンから切り替えて、当時の定番と言える「SAP R/3」を導入。以降長期にわたって運用してきた。しかし、保守サポートにおいて、SAPの標準保守サポートは費用が高額であることや、サービス対象が標準機能に限定されてアドオンプログラムに関する問い合わせが行えないこと、問い合わせに対しレスポンスが遅いことといった課題を抱えていたという。

 そこで同社は、同ERPのバージョンアップではなく、基幹システムそのものの刷新を検討。基幹システムの刷新・移行ロードマップを策定し、取り組みがスタートした(図1)。

図1:基幹システム刷新・移行のロードマップ(出典:熊谷組)
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 熊谷組は、ERP/基幹システム刷新の事前準備として、課題を抱えていたSAPの保守サポートの見直しから着手。検討の結果、パッケージソフトの第三者保守サポートサービスを手がける米リミニストリート(Rimini Street)にコンタクト。検証などを経て2015年1月にSAP R/3の保守サポートをリミニストリートに切り替えた。利用するバージョンの延命である。採用のポイントとして同社は下記のメリットを挙げている。

●保守サポート費用を50%削減
●利用するSAPバージョンの長期サポート(最大15年間)
●標準機能以外にアドオンプログラムもサポート対象
●税制および法改正に関する更新情報の提供
●専任サポートエンジニアによるサービスの向上

 同社 経営戦略室 DX推進部部長 鴫原功氏(写真1)は、「第三者保守サポートの採用にあたっては、日本法人(日本リミニストリート)が国内から撤退するリスク、ユーザー数増加時にサポート品質を担保できないリスク、切り替え後にアップグレードした場合、SAP標準に戻さなければならないリスクなども検討した。だがその後、日本法人との面談やリサーチ会社によるリスク分析などを経て、多少リスクを抱えていてもメリットが大きいという判断に至った」と採用の経緯を振り返った。

写真1:熊谷組 経営戦略室 DX推進部部長 鴫原功氏

 第三者保守サポート導入と並行して、2010年代後半の同社は、基幹システムの老朽化対策、働き方改革への取り組みの加速、IT部門の体制強化も進めている。特に体制強化は、人材育成とシステム開発の推進体制の見直しを中心に、経営戦略、業務戦略、IT戦略の3側面から、ユーザーとIT部門が協働してシステム開発を行えるような体制づくりに注力したという(図2)。

図2:システム開発案件の推進体制(出典:熊谷組)
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●Next:熊谷組が次期ERP/基幹システムに求めたこと、その先に目指す建設DX

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