[市場動向]
グーグルなど49団体が「日本リスキリングコンソーシアム」発足、“イノベーション人材”50万人育成を目指す
2022年6月20日(月)神 幸葉(IT Leaders編集部)
米グーグルの日本法人など49団体は2022年6月16日、「日本リスキリングコンソーシアム」を発足した。同コンソーシアムは、国や地方自治体、民間企業などが一体となり、あらゆる人材のスキルを今後の社会/ビジネス環境が求めるものに“アップデート”する「リスキリング(Reskilling)」に取り組む。トレーニングプログラムや就業支援を通して、ビジネスや組織のイノベーションをもたらす50万人の人材育成を目指す。
イノベーション人材50万人育成を目指し、49団体が参画
国や地方自治体、企業など49の参画団体から構成する「日本リスキリングコンソーシアム」(主幹事:グーグル)が発足した。
リスキリング(Reskilling)とは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」(出典:経済産業省/リクルートワークス研究所)を指す。
同コンソーシアムは、国や地方自治体、民間企業などが一体となり、地域や性別、年齢に問わず日本全国のあらゆる人材のスキルを、現在そして今後の社会/ビジネス環境が求めるものに“アップデート”する活動に取り組む。さまざまな企業による教育/トレーニングプログラムの提供や就職支援、副業(複業)・フリーランス・アルバイトなどの幅広い就業機会の提供など、パートナーシップの輪を広げ、全国の人々が学び続ける機会創出を目指すという。
発足の背景として、日本の社会における労働人口の減少、地方と都市部/大企業と中小企業のデジタル格差、デジタル人材不足などが課題となっていることを挙げている。「一方で、働き方の変革も求められ、多様な働き方を選択できるインクルーシブな社会の構築と、それに対応した人材育成も求められている」(同コンソーシアム)という。
グーグル日本法人 代表の奥山真司氏(写真1)は、スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した2021年度の世界デジタル競争力ランキングで日本が68カ国中28位であったことを挙げ(関連記事:「世界デジタル競争力」に見る日本の“本当の危機”─要素を詳細分析:第3回)、同社が主幹事としてコンソーシアム発足に携わる動機を次のように語った。
「日本は国際経験や人材分野でのスキル不足が指摘されているが、裏を返せば、まだまだ大きな成長余地があるということ。グーグルは、これまでデジタルスキルトレーニングプログラムなどを提供してきたが、あらゆる人々のデジタルスキルの向上には、より幅広いパートナーとプログラム拡充・提供や就業支援に取り組んでいくことが重要と考えた」。
リスキリングパートナーとジョブマッチングパートナー
日本リスキリングコンソーシアムは、「学び続けよう、未来のために。」をステートメントに掲げ、ビジネスや組織のイノベーションをもたらす50万人の人材育成を目指すとしている。
この目標に向けて活動するコンソーシアム体制として、複数のパートナー群で構成されている。スキルアップに必要なトレーニングプログラムを提供し人材育成を加速・サポートする「リスキリングパートナー」、トレーニングプログラム受講者と企業をマッチングし就業支援を推進する「ジョブマッチングパートナー」、広範な連携を推進する「協力・後援パートナー」、企業・組織をつなぎ同コンソーシアムの活動・プログラムの周知と積極的な活用を促進する「後援パートナー」である。
参画企業・組織は、2022年6月16日の発足時(図1)から徐々に増え、同年10月6日現在は以下の企業・組織が参加している。
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●リスキリングパートナー(発足時16社→37社):グーグル(主幹事)、アイデミー、アイ・ラーニング、アステリア、アドビ、Indeed Japan、Winスクール、オデッセイコミュニケーションズ、クラウドワークス、コードキャンプ、ServiceNow Japan、サイボウズ、ザ・ドリーム・コレクティブ、シスコシステムズ、jinjer、スタートアップテクノロジー、セールスフォース・ジャパン、テレワークマネジメント、東京都立産業技術高等専門学校、解ける問題、Dropbox Japan、日本オラクル、一般社団法人日本ディープラーニング協会、日本マイクロソフト、パーソルキャリア、Hagakure、HubSpot Japan、Facebook Japan、Progate、Project MINT、ポテパン、マインドシフトライフ、Moon Creative Lab。ヤフー、ラーニング・ツリー・インターナショナル、ランサーズ、リクルート、Waris
●ジョブマッチングパートナー(発足時8社→14社):RDサポート、Indeed Japan、ウェブスタッフ、エン・ジャパン、クラウドワークス、広済堂ホールディングス、ネオキャリア、パーソルキャリア、ビズリーチ、マイナビ、ランサーズ、リインフォース、リクルート、Waris
●協力・後援パートナー(発足時2省庁・26団体→3省庁・29団体):総務省、経済産業省、デジタル庁、石垣市、出雲市、伊勢市、愛媛県、大分県、大阪府、鹿児島県、北九州市、熊本市、神戸市、佐賀県、竹富町、千葉県、栃木県、鳥取県、富山県、長野県、浜松市、広島県、福島県、松阪市、三重県、三島市、都城市、宮城県、山形市、横浜市、四日市市、一般社団法人グラミン日本、JTB、一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会、シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム、信金中央金庫、全国商工会青年部連合会、一般財団法人地域活性化センター、一般社団法人日本経済団体連合会、日本航空、日本商工会議所、一般社団法人日本旅館協会、ヒューマンホールディングス、リクルートワークス研究所
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