小林製薬(本社:大阪府大阪市)は、通販コールセンターにおいて、音声認識と連動したFAQ/マニュアル検索システムの稼働を開始した。顧客との電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルを検索する仕組みを構築し、オペレーターが電話応対にかかる業務負荷を削減する。コムデザインのコールセンター向けクラウドCTIサービス「CT-e1/SaaS」とアイアクトのAI検索サービス「Cogmo Search」の連携させて実現した。アイアクトが2023年2月2日に発表した。
医薬品/医薬部外品や芳香剤などを製造・販売する小林製薬は、通販コールセンターにおいて、音声認識と連動したFAQ/マニュアル検索システムの稼働を開始した。顧客との電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルを検索する仕組みを構築し、オペレーターが電話応対にかかる業務負荷を削減する(画面1)。
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2023年1月より、数十人規模の自社オペレーターによる実際のコールセンター業務で利用を始めている。現時点で、「応対時間が約半分に減った」「特に経験の浅いオペレーターで応対時間の変化が顕著である」などの導入効果を得ている2023年夏以降に利用範囲を拡大する予定という。
同システムでは、コムデザインのコールセンター向けクラウドCTIサービス「CT-e1/SaaS」とアイアクトのAI検索サービス「Cogmo Search」の連携によって機能を実現している。具体的には、コールセンターシステム(CT-e1)の1画面内に、顧客とオペレーターの会話内容をリアルタイムに音声認識/テキスト化してチャットで表示する。このテキストをオペレーターがクリックすると、Cogmo SearchがFAQやマニュアルを検索し、検索結果を表示する。
従来、オペレーターが質問内容に回答できない場合、電話応対しながら検索文を考え、キーボードで検索文を入力し、FAQやマニュアルを検索していた。システムの導入によって、この手間を省けるようになった。
「これまで、回答が不明な場合、FAQやマニュアルを検索・参照して回答していた。一方、電話内容を音声認識でテキスト化するシステムは、応対分析・評価や教育、FAQ改善を目的とした後工程のシステムであり、電話応対時にリアルタイムで活用するものではなかった」(小林製薬)。そうした経緯から、電話内容をリアルタイムにテキスト化して検索に利用できるシステムの開発に至ったという。