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食品スーパーのオオゼキ、納品出荷伝票をWeb-EDIで電子化、年間2000万円を削減

2023年2月20日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

スーパーマーケットチェーンのオオゼキ(本部:東京都世田谷区)は、納品出荷伝票をWeb-EDIで電子化した。検収作業の業務改善と伝票の保管スペースの縮小などによって、年間で約2000万円の削減を図ると共に、改正電子帳簿保存法に対応した。SIベンダーのアイネスが電子化を支援した。Web-EDIプラットフォーム「ACMS WebFramer」を提供するデータ・アプリケーション(DAL)が2023年2月14日に発表した。

 食料品中心のスーパーマーケットを東京、神奈川、千葉に41店舗展開するオオゼキは、納品出荷伝票をWeb-EDIで電子化した。検収作業の業務改善と伝票の保管スペースの縮小などによって、年間で約2000万円の削減を図る見込み。同時に、改正電子帳簿保存法に対応した(画面1)。

画面1:オオゼキが構築した、Web-EDIによる納品出荷伝票電子化システムの画面(出典:データ・アプリケーション)

 オオゼキでは、商品の納品時に受け取る納品出荷伝票が仕入れ担当者1人あたり毎日100枚以上に上り、品出しの後、この伝票で検収作業を行っていた。作業には1人あたり毎日30~40分を要し、紙伝票の保管に毎月35箱が発生し、外部倉庫のコストも膨らんでいたという。

 納品出荷伝票の処理に要する総コストを試算したところ、年間で2000万円かかっていることが判明。そこで、現場での検収作業の改善・効率化と、紙伝票の保管スペースである外部倉庫のコスト削減を目的に、SIベンダーのアイネスの協力の下、データ・アプリケーション(DAL)のWeb-EDIプラットフォーム「ACMS WebFramer」を用いてWeb-EDIシステムを構築した。

 導入したACMS WebFramerの特徴は、標準で提供する業務画面の雛形を使うことで、短期間かつ容易にWeb-EDIシステムを構築できること。アイネスは、入社2~3年目の開発経験の浅いエンジニア2人でシステムのプロトタイプを2カ月以内に構築した(関連記事DAL、Web-EDIソフト新版「ACMS WebFramer V1.8」、パスワードの再設定が可能に)。

 「できるだけ早く、仕入れ担当者を大量の検収作業から解放するために、半年程度でシステムを稼働させたかった。しかし、当初導入を検討したパッケージ製品は伝票1行ごと、600商品あれば600回OKをクリックする必要があった。ACMS WebFramerを使ってシステムを短期に開発することが最も理にかなっていた」(オオゼキ)

 Web-EDIシステムの導入により、納品出荷伝票を電子化したことで一括チェックが可能になり、これまで30~40分かかっていた検収作業が10分以内に終わるようになった。また、伝票の電子化によって、1度の検索ですぐに伝票を見つけられるようになり、伝票を効率よく確認できるようになった。鮮魚など独自の紙伝票が残る商品や急遽発注してEDIに載らない商品などを除き、納品出荷伝票は大幅に減った。月35箱あった段ボール箱は月10箱になり、倉庫のスペースも縮小できたという。

 オオゼキは現時点で年間2000万円のコストダウンを見込む。業務改善の効果は物流センターにも波及。納品出荷データが確定した段階で伝票を電子化することで、本社あてにファクス送信する作業もなくなり、結果的に改正電子帳簿保存法にも対応した。

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