[事例ニュース]
食品スーパーのヤオコー、AI需要予測に基づく自動発注システムを全182店舗で稼働
2023年2月21日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三
スーパーマーケットチェーンのヤオコー(本社:埼玉県川越市)は2023年2月21日、AIによる需要予測に基づく自動発注システムを稼働させたと発表した。2022年11月に全182店舗で稼働開始した。導入効果として、発注業務に要していた時間を約3時間から約25分と85%短縮し、在庫を5%削減した。日立製作所およびオプティマムアーキテクトの協力の下でシステムを構築した。
ヤオコーは、埼玉県を中心に関東地方で、“食生活提案型スーパーマーケット”をうたう「ヤオコー マーケットプレイス」をチェーン展開している。同社は2022年11月、AIによる需要予測に基づく自動発注システムを全182店舗で稼働開始した。導入効果として、発注業務に要していた時間を約3時間から約25分と85%短縮し、在庫を15%削減した(図1)。
図1:ヤオコーが全182店舗で稼働させた、AI需要予測に基づく自動発注システムの概要(出典:ヤオコー)拡大画像表示
新システムは、日立製作所の「Hitachi Digital Solution for Retail/需要予測型自動発注サービス」をベースに、オプティマムアーキテクトの「Category Profit Management」(CPM)をコア技術として活用している。
AIが需要を予測して発注量を提案する。各店舗では、システムが提示した発注量を確認するだけで朝の発注作業が完了する。需要の予測には、30種類のコーザルデータ(変動要因となる要素データ)を活用。これまで予測が難しかった消費期限の短い日配品についても需要や適正在庫を予測する。
シーズンごとに商品を入れ替える棚割計画も考慮する。棚割システムと連携し、商品の棚落予定日に向けて、販売ロスを最小化するように在庫を抑制しながら発注停止を提案する。また、賞味期限の長い商品は納品を前倒しして毎日の納品量を平準化する。
ヤオコーによると、従来の自動発注システムはイレギュラーな需要変動や棚割システムに対応できず、熟練した担当者が一定の時間をかけて発注業務を行っていたという。新システムに置き換えたことで、発注の自動化率は65%から98%に向上した。
同社は今後、新システムを活用して発注を自動化するだけでなく、発注や納品のタイミングをコントロールし、店舗での品出し作業を省力化する計画。また、物流センターに対して3日先までの納品予定を提示して店舗への配送遅延を防ぐなど、物流部門における出荷計画の策定にも役立てる。
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