TISは2023年7月3日、チャットボット作成サービス「Dialog Play」に、Azure OpenAI Serviceと連携する機能(ベータ版)を付与すると発表した。FAQ(よくある質問と回答)に登録していない未知の語彙に対して、人間らしい自然なコミュニケーションが可能になる。2023年7月にベータ版を提供し、同年10月に正式版をリリースする予定。
TISの「Dialog Play」は、業務に特化したチャットボットを作成可能なAIチャットボット基盤である。大阪府がシニア層などに向けて取り組んでいる「スマートシニアライフ事業」のLINE公式アカウント「おおさか楽なび」もDialog Playを採用している。
今回の機能追加では、同基盤のFAQ(よくある質問と回答)検索機能を、Azure OpenAI Serviceとの連携によって強化する。チャットボットの利用者は、FAQに登録していない語彙に対して、一定の回答を得たり、人間らしい自然なコミュニケーションを受けたりできるようになる。
管理者は、汎用的な質問についての回答などを改善することで、FAQの準備の負荷を軽減できる。チャットボットの利用方法としても、単にFAQやシナリオで回答するサービスから、雑談を交えたコミュニケーションの支援ツールとして、幅を広げることを見込める。
具体的な機能として、社内文書をAIモデルに投入するだけで、FAQを自動生成する。FAQ作成の工数を削減可能である。チャットボットとのやり取りで噛み合わない部分を分析し、回答内容を生成し、FAQに登録することで、会話の質も高められる。
TISはこれまで、AIとデータ分析を専門とする澪標アナリティクス(同じくTISインテックグループ)と連携し、ChatGPTの評価を進めてきた。検証の結果、Azure OpenAI Serviceに関して、Dialog Playの機能強化として一部を利用可能と判断した。
Azure OpenAI ServiceのAIモデルをDialog Playのメインエンジンとして利用するのではなく、滑らかな会話や効果的な回答などの機能を強化する部分に活用する。既存のチャットボットの優位性と生成AIの先進性を組み合わせる。
連携機能は、Dialog Playの利用料金内で利用可能(「ADVANCE/STANDARD」プランが対象。「LITE」プランは対象外)。設定費用は別途見積り(ChatGPTの料金体系に変更などがあった場合、料金設定を変更する可能あり)。