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富士フイルムとIBM、カートリッジ1巻で非圧縮時50TBを記録するテープストレージを開発

現行規格の2.5倍となる業界最大の容量を実現

2023年8月30日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士フイルムは2023年8月30日、同社と米IBMがカートリッジ1巻で非圧縮時データ容量50TBのテープストレージシステム「IBM 3592 JF」を開発したと発表した。50TBは現行の「IBM 3592 JE」(20TB)の2.5倍に相当する。新システムは、富士フイルムの「IBM 3592 JFテープ・カートリッジ」と、IBMの「TS1170ドライブ」を組み合わせて米IBMが販売を開始している。

 富士フイルムと米IBMは、カートリッジ1巻で非圧縮時データ容量50TBのテープストレージシステム「IBM 3592 JF」を開発した。50TBは、現行の「IBM 3592 JE」(非圧縮時20TB)の2.5倍に相当する。新システムは、富士フイルムの「IBM 3592 JFテープ・カートリッジ」と、米IBMの「TS1170ドライブ」(写真1)を組み合わせて米IBMが販売を開始している。

写真1:非圧縮時50TBのテープストレージ規格「IBM 3592 JF」に対応したIBMの「TS1170ドライブ」の外観(出典:米IBM)
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 データバックアップを主要な用途としたテープストレージは、開発ロードマップに合わせてデータ転送性能とデータ容量が向上し続けている。テープカートリッジ1巻の非圧縮時データ容量は、LTO(Linear Tape-Open)シリーズの現行規格LTO-9が18TBで、IBM 3592シリーズの現行規格「IBM 3592 JE」が20TB。今回、新規格のIBM 3592 JFが50TBとなり、大幅な容量増を実現した(関連記事:富士フイルム、非圧縮時18TBのテープストレージ「LTO Ultrium9 データカートリッジ」を販売)。

 富士フイルムは、テープストレージのデータ容量を拡大する2つの方法として、面記録密度(単位面積あたりのデータ密度)の向上と記録面積(データの記録面積)の向上を挙げている。

 今回、面記録密度の向上では、「ストロンチウムフェライト磁性体」と「バリウムフェライト磁性体」の両ナノ粒子設計技術を組み合わせた「微粒子ハイブリッド磁性体」を新たに開発している。また、記録面積の向上では、磁気テープの支持体に現行規格よりも厚みが薄く強度が高いベースフィルムを採用し、テープの長さを15%伸長している。

 米IBMは新しいIBM 3592 JFについて、「科学データや産業データ、クラウド上のデータを安全に長期間保管する用途や、(保管とデータ活用を両立する)アクティブアーカイブ用途に最適な選択肢になる」とアピールしている。

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富士フイルム / IBM / テープストレージ / ITインフラ / LTO

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