[市場動向]
富士通、Catena-Xなどの欧州データスペースに接続するデジタルトラスト技術を開発
2024年4月22日(月)IT Leaders編集部
富士通は2024年4月19日、国・地域や業界を横断したデータ共有の仕組みであるデータスペースにおいて、参加企業のID証明書をデータスペース間で相互運用を可能にするデジタルトラスト技術を開発したと発表した。証明書の方式をそれぞれのデータスペースが採用する方式に変換する「IDYX Trust Interconnect」を開発し、実証で、日本企業が欧州自動車業界の「Catena-X」などの欧州データスペースに参加するシナリオの下、同様の仕組みを持つデータスペースへの接続を確認している。
データスペース(Data Space)は、各企業のデータ主権を守りつつ、非中央集権型で安全にデータを流通・共有する仕組みである。国・地域や業界ごとにデータスペースが設立され、それぞれのルールやガイドラインの策定が行われている(図1)。
図1:データスペースの概念図(出典:デジタル庁「データ連携により実現可能なサービス─データ連携により実現するデータスペースエコノミー、2022年12月)拡大画像表示
データスペースの先行例として、欧州全体のクラウド/データインフラ構想の「GAIA-X(ガイアエックス)」や、欧州自動車業界のバリューチェーンからなる「Catena-X(カテナエックス)」などが知られている。各データスペースのコンソーシアムが設立され、関連企業間でカーボンフットプリントやサプライチェーンの情報を共有が取り組まれている(関連記事:欧州クラウド/データ基盤構想「GAIA-X」の“成果物”が登場/複数の産業分野をまたがった日本のデータ流通基盤「DATA-EX」を構築する─DSAの越塚登氏)。
日本企業向けのデータスペース接続の仕組みが未整備
富士通は、データスペース接続に関する課題を次のように説明している。「国や業界をまたがってデータスペースに接続する仕組みが整備されていない。データスペースへの接続は、ルールやガイドラインの策定などの面のみならず、そこに接続する企業の真正性をシステム的に確認する仕組みが求められる」。
真正性を確認するシステムとして、既存の証明書発行機関が発行するデジタル証明書があるが、「さまざまな国・地域・業界のデータスペースごとに、証明書のフォーマットやプロトコル、真正性の確認プロセスなどが異なっており、相互運用性を欠いていた」(富士通)という。
「現状、日本企業が欧州データスペースに加入するには、欧州の証明書発行機関を利用する必要がある。欧州データベース側で日本企業を確認する手段にVAT ID(注1)などがあるが、すべての日本企業が取得しているわけではないうえ、管理上付与された番号に過ぎず、これだけでは真正性を確認できない」(同社)という。
同社によると、日本国内で企業の真正性を確認する仕組みとして、デジタル庁がすでに運用中の「gBizID(注2)」があるが、欧州データスペースに加入する企業のデジタル証明書は「Verifiable Credential(VC、注3)」を用いることが一般的になりつつあるという。「gBizIDなどの国内の仕組みはVCをサポートしておらず、それだけでは欧州データスペースに接続することができない」(富士通)。
注1:VAT IDは、欧州連合において加盟国内の付加価値税(Value Added Tax)を処理するために企業に付与される番号。欧州域外の企業で域内に輸出しない場合は通常取得する必要がない。
注2:gBizIDは、国内の企業・個人事業主向けの共通認証システム。富士通の今回の開発・実証では、アカウント発行に際し書類審査を行うことで、より厳密な本人確認を行うgBizIDプライムを想定している。
注3:Verifiable Credential(VC)は、内容の検証がオンラインで可能なデジタル資格証明書。個人情報や企業情報を格納し、信頼できる機関によって検証されていることを証明する。
●Next:富士通が開発した業界初の「IDYX Trust Interconnect」技術とは?
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