[市場動向]

NTTデータグループがSRA OSSに出資、ミッションクリティカル領域へのOSS適用を拡大

2024年5月30日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTTデータグループとSRA OSSは2024年5月30日、オープンソースソフトウェア(OSS)のミッションクリティカル領域への適用拡大を目的に、資本業務提携に合意したと発表した。NTTデータグループは2024年8月に数億円を出資してSRA OSSの株式を取得する。資本構成は、SRAが66%、NTTデータグループが34%となる。

 NTTデータグループとSRA OSSは、オープンソースソフトウェア(OSS)のミッションクリティカル領域への適用拡大を目的に、資本業務提携に合意した。NTTデータグループは、2024年8月に数億円を出資してSRA OSSの株式を取得する。資本構成はSRAが66%、NTTデータグループが34%となる。同年9月から共同で事業を開始する。

 両社は以前より、OSSのテクニカルサポートで連携を進めてきた。今回の資本業務提携によって連携を強化し、両社の知見を融合。ユーザー企業のミッションクリティカル領域におけるシステムのオープン化を迅速に支援するとしている。業務提携には、OSSサポートサービスの展開、OSS人材の確保と体制構築、相互の人材交流を通じた人材育成などが含まれる。

 NTTデータグループとNTTデータは、これまで1000を超える各業種・目的のシステムにOSSを採用してきた実績を持つ。2004年にはOSS専門組織を設置し、OSSを活用したシステム構築の技術力とテクニカルサポート体制の拡充に取り組んできた。OSSを活用したシステム構築やサポートだけでなく、OSS開発コミュニティーにおける主要な開発者(コミッターやPMC)も輩出している。

 現在は、メインフレームベンダーと関連技術者の減少などを受け、ミッションクリティカルシステムのオープン化に積極的に取り組んでいる。例えば、2024年1月に運用開始したMEJAR(地域金融機関5行の共同利用システム)は、従来のメインフレームをベースとしたシステム構成から大きくアーキテクチャを変更し、オープンなシステム構成としている。

 「ミッションクリティカルシステムのオープン化には、積極的なOSSの採用が欠かせず、OSSのテクニカルサポートの提供も同様に不可欠である」(NTTデータグループ)。こうした背景から、サポート対象となるソフトウェアの種類を拡充させると共に、テクニカルサポートの品質向上および対応時間帯の拡大に取り組んでいる。

 一方のSRA OSSは、OSSのデータベースであるPostgreSQLを中心に、OSSのミドルウェアを対象としたサポートサービス、コンサルティング、教育事業などを展開。OSSの開発者も在籍している。

 SRA OSSは、OSSの黎明期から20年以上の実績がある。SRAにおいてOSS製品を扱っていた部署が前身で、SRAが2005年6月に米国で設立した米SRA OSSの日本支社として国内で事業を展開してきた。2022年6月に事業を継承してSRA OSS合同会社になり、2024年5月にSRAの100%子会社になっている(表1)。

表1:SRA OSSの会社概要(出典:SRA OSS)
商号 SRA OSS合同会社
事業内容 オープンソースソフトウェア関連のテクニカルサポート、コンサルティング
設立年 2022年6月
本社所在地 東京都豊島区
代表者 社長 稲葉香理氏
社員数 30人(2024年3月末現在)
コーポレートサイト https://www.sraoss.co.jp/
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SRA OSS / NTTデータ / PostgreSQL / 組織再編

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