デル・テクノロジーズは2024年7月3日、ミッドレンジ統合ストレージ新モデル「Dell PowerStore 3200Q」を提供開始した。PowerStoreシリーズの他モデルはTLC(トリプルレベルセル)型のSSDを搭載するが、3200QはQLC(クアッドレベルセル)型のSSDを採用、TLC搭載モデルと比べて性能低下なく容量単価の改善を図っている。合わせてストレージOSの新版「PowerStoreOS 4.0」をリリース、データ削減率を従来版の4:1から5:1に高めている。
デル・テクノロジーズの「Dell PowerStore」は、オールフラッシュ構成の多機能ミッドレンジストレージである。SAN(FC/iSCSI)とNAS(NFS/SMB)の統合ストレージであり、ミッドレンジストレージに求められる機能群をオールインワン型で搭載する(関連記事:統合ストレージ「Dell PowerStore」のOSをアップデート、性能や容量を向上)。
今回、PowerStoreシリーズ5モデル(500T、1200T、3200T、5200T、9200T)のうち、中間のCPU性能を持つ3200Tをベースに、搭載するSSD(NVMe接続)のタイプをTLC(トリプルレベルセル)型からQLC(クアッドレベルセル)型に変更した新モデル「3200Q」を提供開始する(図1)。
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QLCはTLCよりも容量単価が低いため、PB(ペタバイト)クラスの大容量データを扱うユースケースに向く。扱うデータ量が多くなるとコントローラのCPU性能も要求されるため、ある程度のCPU性能を持つ3200T(64コアXeon×4)をベースにQLCモデルを新設した。
同社は、3200Qの意義と特徴について「QLCの採用によってプライマリ(1次)ストレージの容量単価を下げた」と説明する。一般的にQLCはTLCよりも性能が劣るためセカンダリ(2次)ストレージなどで使われることが多いが、「3200Qは3200Tと同じ性能を備える」(同社)という。
3200Qの提供と同時に、ストレージOSの新版「PowerStoreOS 4.0」も用意した。OS新版では、主に性能を向上させた。例えば、データ削減率として5:1をうたっている(従来版は4:1)。