デル・テクノロジーズは2022年5月25日、多機能ミッドレンジ統合ストレージ「Dell PowerStore」のOS「Dell PowerStoreOS 3.0」にアップデートしたと発表した。新バージョンのOSを搭載した製品の国内提供を開始した。性能は、読み取り/書き込みの混合ワークロード速度を最大50%高速化した。容量は、筐体あたりの最大容量が66%増えた。
デル・テクノロジーズの「Dell PowerStore」は、オールフラッシュ構成の多機能ミッドレンジストレージである。SAN(FC/iSCSI)とNAS(NFS/SMB)の統合ストレージであり、ミッドレンジストレージに求められる機能群をオールインワン型で搭載する(写真1、関連記事:多機能ミッドレンジストレージの低価格モデル「Dell EMC PowerStore 500」、2万8000ドルから)。
今回、OSを「Dell PowerStoreOS 3.0」にバージョンアップした。これにより、IOPS性能が向上した。デル・テクノロジーズの社内テスト(2022年3月、PowerStore 1200Tを使用)では、8KBブロックのIOPS性能が、リード70/ライト30の混合ワークロードの場合に50%向上し、書き込み100%の場合に70%向上した。別の検証(PowerStore 5000を使用)では、実行中の仮想マシン(36GB)を1000台コピー(XCOPY)する時間が10倍速くなった。
容量も増やした。筐体あたりの最大容量は66%増加し、クラスタあたり最大18PB(4:1のデータ削減時での実効容量)以上を実現した。また、エントリーモデルの「PowerStore 500」において、アプライアンスあたりの最大実効容量を1.2PBから4.7PBに増やしたほか、他のモデルと同様にスケールアップ可能にした。
ストレージアクセスのネットワーク機能も高めた。SAN(FC/iSCSI)とNAS(NFS/SMB)に加えて、SANのストレージプロトコルとしてiSCSIよりも高速なNVMe over TCPを使えるようにした。同社の社内分析では、NVMe over TCPによって、ポートあたり従来のおよそ半分のコストで最大73%高速になるとしている。
ファイルストレージとしての機能も強化している。ファイルデータの処理能力を高めたほか、非同期レプリケーション機能を追加した。従来のファイルストレージからのデータ移行など、ファイルデータを筐体間で移行するソフトウェアを無料で提供している。また、遠隔地同士のデータ同期レプリケーション機能も追加した。