キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2025年1月28日、異常監視システムの新版「ANOMALY WATCHER V1.1.0」を提供開始した。新版では、独自方式の画像比較による検知に加え、外部AIアプリケーションと連携して検知できるようにした。屋外での利用や特定の物体の検出など監視用途が広がるとしている。価格(税別)は60万5000円から。
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)の「ANOMALY WATCHER(アノマリー ウォッチャー)」は、ネットワークカメラの映像を監視し、通常とは異なる状態の発生を検出してアラートを発出する異常監視システムである。製造現場や倉庫などにおいて、設備の異常を監視するコストの削減と監視精度の向上を支援する(図1、関連記事:キヤノンITS、映像分析による異常監視システム「ANOMALY WATCHER」、事前学習は不要)。

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事前に登録した基準値とは異なる映像を検出する。正常状態として登録した基準フレームとリアルタイム映像フレームとの特徴量の類似度を算出し、類似度の閾値設定に基づいて異常検知アラートを発出する。
ユーザーは、基準フレームを登録し、色味の変化や輪郭の変化など複数のパラメータの検知感度を設定することで監視を始められる。マシンラーニング(機械学習)型の画像処理と異なり、事前に異常時の映像を収集・学習させる作業が不要である。
新版のV1.1.0では、独自の画像処理による検出に加えて、外部の画像処理AIアプリケーションとの連携による検出に対応した。これまで外部AI連携は別途開発が必要だったが、標準機能として提供する。屋外での利用や特定の物体の検出、人や機械の動きのある状況下での検知など監視用途が広がるとしている(図2)。

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「Bind Vision」(用途ごとの画像解析AIモデルを利用可能にするAPI:関連記事)、「Visual Insight Station」(良品学習のみで不良品を高精度に検出する検査ソフトウェア:関連記事)、「LaiGHT」(画像認識AIアプリケーション開発基盤:関連記事)などキヤノンITSのAI製品以外に、ユーザーが用意した任意のAIモデルとの連携が可能である。
新版ではまた、1台のPCでリアルタイムに解析可能なカメラの台数が最大4台となり、動画解析に加えて静止画の解析が可能になった。通知機能では、パトライト製信号灯ユニットを直接制御できるようになった。点灯パターンの指定や音声通知が可能である(関連記事:パトライト、ネットワーク制御信号灯「NHV」全モデルにメール受信による監視・検知機能)。
ANOMALY WATCHER V1.1.0の価格(税別)は60万5000円から。