[新製品・サービス]

KDDI、デジタルヒューマンを活用した顧客サポート「auサポート AIアドバイザー」を開始

「ナギサ」が音声と文字の問い合わせから顧客の意図を汲んで回答

2025年3月4日(火)IT Leaders編集部

KDDIは2025年3月3日、同社の顧客問い合わせ窓口に、生成AIとデジタルヒューマン技術を組み合わせた顧客サポートサービス「auサポート AIアドバイザー『ナギサ』」を同年3月10日より運用開始すると発表した。顧客は音声と文字の両方で問い合わせが可能で、生成AIが意図を解釈して音声、テキスト、画像を組み合わせながら回答する。

 KDDIは、顧客サポート窓口の「KDDIお客さまセンター」において、生成AIによるチャットボットや、電話音声での音声認識などの機能を導入してきた。今回、電話とチャットの長所を併せ持つ新たな顧客サポートサービス「auサポート AIアドバイザー『ナギサ』」を提供する(動画1)。


動画1:顧客サポートサービス「auサポート AIアドバイザー『ナギサ』」(出典:KDDI)

図1:「auサポート AIアドバイザー『ナギサ』」の概要(出典:KDDI)
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 生成AIとデジタルヒューマン(AIアバター)技術を組み合わせて構築している。AIに親しみやすさを持たせ、寄り添ったコミュニケーションを提供するため、デジタルヒューマンに「ナギサ」というキャラクターを設定している(図1)。

 デジタルヒューマンのナギサが人間のような外見や動作、表情などの視覚情報と音声を交えて対応する。チャット単独や電話単独と比べて、顧客に対し、より多くの情報を伝えることができる。生成AIが顧客の問い合わせの意図を解釈し、ストレスなく問題を解決できるような応対を可能にしている。

 顧客は好みや状況に応じて、音声とテキストのどちらからでもナギサに話しかけることができる。重要なポイントはナギサが読み上げて伝える。「電話でのコミュニケーションが苦手な顧客でも自身のペースで内容を確認でき、関連する情報を画像でも案内する」(KDDI)。

 ナギサとして動作するデジタルヒューマンを、KDDIとアクセンチュアのジョイントベンチャーであるARISE analyticsが構築している。ナギサのバックストーリーや人格を細かく学ばせたことで、顧客との雑談時に、ナギサ本人の生い立ちや趣味趣向を反映した会話を実現しているという(図2)。

図2:AIアドバイザー「ナギサ」のプロフィール(出典:ARISE analytics)
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 顧客からのナギサ自身への質問や一般的・専門的な知識を尋ねる質問について、カスタマーサポート担当として回答すべきスコープを細かく整理してプロンプトに変換している。これにより親しみやすい回答を実現しているという。「顧客に寄り添ったコミュニケーションを通じて安心と信頼を感じてもらうことで、気軽に相談してもらえるサポートを目指している」(KDDI)。

 ナギサが発する音声については、日本語話者の声をサンプルにファインチューニングを施し、自然な日本語を発声するように工夫したという。単語のイントネーションや発音を細かく調整し、顧客が違和感なく会話できるサポートに留意したとしている。

 KDDIは、auサポート AIアドバイザー「ナギサ」の適用を、スマートフォンからPontaポイントに関連する問い合わせから始める。今後、段階的に対象項目を拡大し、2025年度内を目途に、auサービスに関わるすべての問い合わせ項目をカバーすることを計画している。

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