ネジ・ボルトの専門メーカーであるヤマシナ(本社:京都府京都市山科区)は、生産・販売を支える基幹システムを、アジャイル開発手法とローコード開発ツール「GeneXus」を用いた高速開発を用いてクラウド上で刷新した。システム開発を支援したJBCCが2025年5月22日に発表した。
ヤマシナは、自動車産業向けを中心としたネジ・ボルトの専門メーカーである。従来の基幹システムは、15年前に導入したパッケージ型の販売管理システムに、製造部門用の大規模なカスタマイズを施したレガシーシステムである。これまで、約200本の自社開発プログラムをサブシステムで追加し、業務に対応してきた。
こうした中で、ソフトウェアとハードウェアの保守期限が迫っていた。業界・法規定への対応や、買収によって増えたグループ企業へのシステム展開も困難であり、早期の刷新が急務だった。しかし、1000種類以上のネジ・ボルトの生産工程は複雑であり、パッケージでの対応は難しかった。

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解決策として、業務に合わせて新システムを独自に開発した(図1)。アジャイル開発手法とローコード開発ツール「GeneXus」を用いた超高速開発を適用し、5回の開発サイクルを通じて段階的に機能を追加した。各フェーズで現場の声を反映して改善を重ね、機能の精度を高めた。ヤマシナ社内の技術者3人が開発チームに参加し、JBCCが伴走型で内製化を支援した。
導入効果の1つとして、承認プロセスがシステム化され、場所を問わず決裁が可能になった。工程管理もシステム化し、進捗状況をリアルタイムで可視化できるようにした。これに対して、従来の工程管理は日報を手入力しており、実際の状況把握に時間がかかっていた。
システム基盤には、JBCCが提供する運用付きのクラウドサービス「EcoOne」を使っている(関連記事:JBCC、マネージドクラウド「EcoOne Google Cloud」を提供、AWSとAzureはすでに提供中)。クラウド環境の死活監視や性能監視といった日々の運用管理・監視サービスを提供する。