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[市場動向]

「DXの深化にはLXが欠かせない」─CeFIL/DBICが“学びの拠点”開設で目指すもの

LX(Learning Transformation)─DXを超える社会変革へ

2025年8月26日(火)田口 潤(IT Leaders編集部)

日本におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを深化・加速させるのに欠けているピースがある。個人や組織における”学びの変革”がそれだ──。高度人材の育成を通じて企業のDXを支援してきたCeFILとDBICは2025年8月、企業共創ラーニングセンター「LX Hub(Learning Transformation Hub)」の開設を公表した。一見では捉えにくいものの、その発表内容は示唆に富んでいる。これまでの経緯を追いつつ解説する。

 読者はCeFIL(Center for Innovation Leaders、セフィル)、あるいはDBIC(デジタルビジネス・イノベーションセンター)という組織をご存じだろうか。詳細は後述するが、CeFILは経営とIT/デジタルに通じた高度人材の育成を掲げて、2009年7月に発足したNPO法人。DBICは、そのCeFILが2016年5月に設置した組織で、大手企業の経営層やマネジメント層向けに、デジタルビジネスに関する学びや体験の場を提供している。

写真1:LX Hubが入居するTAKANAWA GATEWAY CITY

 2025年8月上旬、CeFILおよびDBICは説明会を開き、東京都港区のTAKANAWA GATEWAY CITY(写真1)に企業共創ラーニングセンター「LX Hub」を2025年10月1日から開設すると発表した。LXは「Learning Transformation」の略であり、CeFILはLX Hubを「DXを超える社会変革」「日本初の“学びの拠点”」と強調している。

 「DBICの活動を実践する中で、日本の人材育成は深みに欠ける」という問題が浮上し、ラーニング(学び)のあり方を変革しなければと考えたことが、LX Hub開設の背景にあるという。2026年度から、人材開発の専門家である「ラーニングデザイナー」や「ラーニングアーキテクト」の育成プログラムをスタートさせる計画で、そのために人材開発・組織開発に実績とノウハウを持つ米国の非営利団体、ATD(The Association for Talent Development)との提携も発表している。

 筆者は、今回の発表の重要性を多くの人が理解し、賛同・参加する企業が増えて欲しいと考える。しかし、”企業共創ラーニングセンター”といってもピンとこないし、LXにしても、その意図や意味は伝わりにくいように思う。そこで、順を追ってCeFILやDBICの取り組みを説明する。

●Next:IT/デジタル専門人材不足への危機感と打ち手

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