[「人間中心のAI」で企業変革を加速する─生成AIの進化・活用のこれから]

AIがコードを書き、人間がプロジェクトを導く──AI駆動開発時代のエンジニア像:第10回

2026年4月3日(金)並河 祐貴(博報堂テクノロジーズ 執行役員 兼 統合マーケティング・メディアユニット 開発第3センター長)

AI技術は日々進化を遂げ、社会実装が現実の段階に入っているが、多くの企業ではまだ部分的な活用にとどまり、AIに対する脅威感や不安が依然として存在する。「人間中心のAI活用」を推進するためにはどうすればよいか。本連載では、具体的なアプローチを交えながら、企業がAIとどのように向き合い、活用し、未来の成長に役立てていくかを考察していく。第10回では、生成AIの進化に伴って注目度が増しているAI駆動開発に焦点を当て、博報堂テクノロジーズの事例を踏まえて解説する。

「アシスタント」から「エージェント」へ―AI駆動開発の進化

 2023年から2024年にかけてのAI駆動開発は、「GitHub Copilot」に代表されるような、エンジニアが記述したコメントなどから部分的にコードを生成する「アシスタント」としての活用が中心だった。しかし、2025年春頃より、「Claude Code」や「Devin」といった、より自律的なコーディングを可能にするサービスが登場したのを境に、その様相は大きく変化している。

 現在注目を集めているのは、抽象的な指示からAIエージェントが自律的にアプリケーションを構築する「エージェンティックコーディング(Agentic Coding)」の流れである。また、コードを厳密に記述するのではなく、作りたいソフトウェアの機能や目的、全体的な雰囲気(Vibe)を自然言語でAIに伝えることで、AIが主体となってコードを生成・修正していく「バイブコーディング(Vibe Coding)」も支持を集めている。

 2026年現在、AIの能力は著しく向上した。1年前には「手の速い1〜2年目のジュニア層」という印象だったAIは、今や「2〜4年目の中堅手前のエンジニア」に匹敵する水準に達している。特筆すべきは、その成長スピードの速さである。例えば、開発過程で発生したエラーの修正では人間を凌駕しており、人間が数十分かけて調査する内容について、AIはわずか10〜15秒で解決案を提示するレベルにある。これにより、人間の開発スタイルは「自ら書く」ことから「AIと壁打ちをしながら形にする」ことへとシフトした。

 以前はAIに意図が伝わらず、見当違いな結果が出ることもあったが、現在は人間の指示や明示されたコンテキストを汲み取る精度も向上している。その結果、プログラミングの知識がない非エンジニアにとっても利用しやすくなった点は大きな変化だ。思い通りの形が提示されるまでの時間が短縮され、正しく動作する確度も高まっている。

●Next:大規模言語モデル「Claude」導入の成果、AI駆動開発を加速させていく要諦

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