2005年の暮頃、まだ日本では企業情報システムにWeb 2.0を活かす、などというと、ネガティブな反応が主流であった。曰く、「おかしな組み合わせではないか?」、曰く、「内部統制やJSOx法対応で余裕がないところへ、ITガバナンスに逆行するような企画が通るわけない。」といった反響である。
2006年になり、技術者、マーケティング関係者、メディア(マスメディア、ブログ/SNS)により、Web 2.0がブレーク。キーワードとして消費され始めた。XMLコンソーシアムとしては、それが単なるマーケティング・バズ・ワードではなく、いずれエンタープライズ・システムに大きな影響を及ぼす技術トレンドである、と位置付けた。そして、Web 2.0部会の発足を決定した。
Web 2.0部会の発足に先立って、2006年3月上旬、4月上旬に、Web 2.0勉強会を実施した。
- 「Web2.0勉強会第1回ミーティング+XMLコンソーシアムセミナー」
http://www.xmlconsortium.org/seminar/060303/060303-prog.html - 「Web2.0勉強会第2回ミーティング ~テーマ:エンタープライズ・マッシュアップ!」
http://www.xmlconsortium.org/seminar/06/060411/060411-prog.html
第1回ミーティングの冒頭の講演、「なぜXMLコンソーシアムがWeb 2.0か?」の案内文を引用する。
「企業情報システムとは相容れないイメージでみられがちなWeb 2.0ですが、我々は、2つの理由で今後大きな流れになると考えます。第一に、10余年前の商用Web 1.0の翌年にはイントラネット文書管理が出現したように、自宅で創造的な良い環境を知ったユーザは「会社では別」では済まないこと。第二に、Web2.0の「(社内)ユーザ参加型アーキテクチャ」、「データこそが主役」という指針により、社員から貴重な情報を引き出し(blog/SNS)、ユーザ中心に多種多様のデータと融合・連携させ(remixing)、ビジネスを活性化することが期待されます。データ、情報、知識を生かし切ることは、企業情報システムの究極のゴールではないでしょうか。“Web 2.0 for Enterprise”をテーマに掲げ、企業情報システムのための既存の要素技術や設計思想とも組み合わせ、これからの快適な情報環境の構想と、それを実証評価する活動について説明いたします。」
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