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[製品サーベイ]

名刺管理サービス徹底比較─名刺入力一体型サービスも登場、携帯電話/他サービス連携も進む

2009年2月18日(水)IT Leaders編集部

様々なビジネスシーンで毎日のように交換する名刺。それは新たなビジネスに発展する可能性を秘めた貴重な財産だ。だからこそ、組織的にきちんと活用できる体制を整えることが大切となる。幸い、名刺データ管理のサービスやソフトが充実してきている。一期一会の縁をビジネスに生かすために、最新製品の動向を是非おさえておこう。

 人脈形成や新たな商談の起点となる名刺交換。だからこそ、部署単位などで名刺データを効率的に管理・共有したいというニーズは根強くある。だが、名刺に書かれた名前やメールアドレスの文字をいちいち手入力でデータ化するのは面倒であり、組織的にはなかなか長続きしない。せいぜい個人が名刺の束を「紙のまま」五十音順などで保管し、必要な時に互いに声を掛け合って参照させてもらうというのが現実解だったのではないだろうか。

 こうした中、組織での活用に焦点を当てた名刺データ管理のサービスやソフトが充実してきている。OCR(光学文字認識)ソフトと目視によるデータ修正を組み合わせた精度の高いデータ入力サービス、他の業務システムとの連携、携帯電話からの名刺データ参照などが特に目新しい機能だ。

OCRと目視チェック、データ精度は公称99.9%以上

 名刺情報の管理・共有において一番やっかいなのは、名刺に記されている文字を「データ化」することにある。スキャナで名刺イメージを読み取り、OCRソフトでデータ化するのが一般的だが、その認識率は決して高くはない。漢数字の「二」をカタカナの「ニ」と認識してしまうような例が少なくないからだ。一定の効率化は図れるが、その後のデータ修正作業はユーザーに負荷をかける。

 ここに目を付け、データ修正作業も含めた名刺管理サービスが登場し始めた。代表的なのはイーシステムの「アルテマブルー」と三三(現社名:Sansan)の「Link Knowledge」である。2製品とも、名刺情報のデータ化から管理・共有までの機能を統合的に提供することを狙っている。まずはこの2製品の特徴を詳説し、最新の動きを追っていこう。

 イーシステムと三三の2社ともに名刺情報のデータ化について「精度は99.9%以上を標榜している」と口を揃える。この水準を保っているのが「目視による確認・修正」だ。

 2製品の名刺情報データ化のプロセスはほぼ共通している(図1)。ユーザーはまず、購入もしくは貸与されるスキャナを使って名刺を読み取る。イメージデータはすぐにインターネットを介してサービス業者側のサーバーに送られ、さらにOCRソフトによって文字データに変換。その後、専任オペレータが認識結果と元イメージを付き合わながら確認し、誤りがあれば手作業でデータを修正する。最終的な名刺データは業者が用意するデータベースに格納され、ユーザーはインターネットを介して閲覧できるというものだ。名刺の量にもよるがスキャナで読み取って翌営業日にはデータがアップされる。

図1 目視によるデータ精査を取り入れた統合的な名刺データ管理サービスの名刺データ化の流れ

 アルテマブルーの場合、専用スキャナを接続するPCはユーザーが別途用意し、これに名刺スキャン・イメージ送信用のソフトをインストールする。Link Knowledgeでは、スキャナの他に名刺スキャン・イメージ送信の専用端末も合わせて提供される。「自社PCへのソフトインストールを制限している企業でも容易に導入できるよう配慮した」(三三代表取締役社長 寺田 親弘氏)。

 データ精査プロセスについては、両社ともに複数のオペレーターで多重に確認・修正している。ここでアルテマブルーでは精度向上のためのユニークな仕組みを取り入れている。独自の「イメージ領域分割処理」技術を使い、スキャンした名刺イメージから会社名、名前、住所など細かい単位に自動分割。オペレーターに、確認対象が名前なのか住所なのかといった項目をあえて意識させないことで先入観によるミスを最小限に抑える。オペレータは名刺の全体イメージを見られないので、「セキュリティを気にするユーザーにも受け入れられやすい」(イーシステム取締役ASP本部長 三浦 直樹氏)という。

CRMソフトなどと自動連携、携帯電話からも閲覧できる

 ほかにもビジネスでの利用を前提にした機能が多数備わる。代表的な機能をまとめたのが表1だ。

表1 目視によるデータ精査を取り入れた統合的な名刺データ管理サービス(料金は税別)

 目玉の1つが、他製品・サービスとの連携である。中でも顧客情報管理(CRM)製品への自動データ転送機能が注目だ。アルテマブルーは日本オラクルのSaaS型CRM「Oracle CRM On Demand」と自動連携する。一方のLink Knowledgeは、SaaS型CRMアプリケーション「Salesforce CRM」との自動連携に強みがある。

 アルテマブルー、Link Knowledgeとも、ほかにも多数のCRMソフトウェアと連携させることができるが、現状ではCSVファイルや各ソフト専用フォーマットを介した手動でのインポート/エクスポートが多い。両社とも今後はより多くのアプリケーションとの自動連携を促進する考えである。

 携帯電話から名刺データを閲覧する機能も急速にニーズが高まっており、2製品とも対応済みだ。オフィスの外でも連絡先を調べられ、ワンタッチで電話できるという利便性が受けている。各社が用意するサーバーに携帯電話から直接アクセスして必要な名刺データを検索・閲覧できる。

 アルテマブルーでは、携帯電話向け地図・乗り換え案内サービス「NAVITIME」(ナビタイムジャパンが提供)を標準で利用可能だ。携帯電話のGPS機能とも連携しており、出先での移動時に便利に使える。たとえば営業担当者が取引先に突然呼ばれたとき、すぐに名刺データから住所を調べ、現在地からもっとも効率的な経路を確認し、地図を参照しながら駆けつけられる。

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