編集部によると、本号の特集は「プラットフォーム」だという。そこで今回はプラットフォームに関するエピソードを書いておこう。 「システム費用を30%下げよ」─。経営トップからのミッションを受けて、筆者が情報システム部門の責任者になったのは、2001年のことである。その時、何からどう手をつけるかというシナリオを全く持っていなかった。それほど唐突で異例な人事だった。
それまで利用部門にいた筆者にすれば、情報システム部門という組織の表面的なことは分かるが、深くは知りえない。実態を把握しないことには、改革の絵を描けないので、異動して3日間はシステム部門のスタッフが日々、何をやっているかをひたすら観察した。その後、保有しているIT資産を見て回った。重装備された自社施設の中でメインフレームを中心とするコンピュータと周辺装置が動いており、別のエリアには分散化されたサーバー群が無機質な灯りを点滅させていた。
費用を大幅に下げるためには構造を変えなければならない。大まかにコストを調べると、メインフレームとクライアントPC関連が圧倒的な割合を占めていた。まずはこの2つから手をつけなければならないことは、明らかである。
結論を言えば、現役として稼働していたメインフレームを捨て、全面再構築によりオープンシステムに移行することを決めた。併せて付加価値をもたらしていないインハウス業務をアウトソースすることを決め、実施した。
メインフレームを捨てた理由
時々、「どのようにメインフレームを捨てることを決めたのか」と聞かれるが、実に簡単な理屈である。
建設業では、工事現場が日本、海外のあちこちに散在する。これを考えたとき、ネットワークをベースにしたオープンシステム以外は考えられない。一方でメインフレームに依存しなければならない、いわゆるミッションクリティカルな業務はほとんどない。だからメインフレームを止めたのである。
とはいえ移行のリスクも、情報システム部門の抵抗もあったことは事実である。サイズを落としてでも使い続けたいという意見も強かったので、「両建てでコスト削減が出来る方法があるなら認める」と宣言した。結局、具体的な提案は出てこず、オープンシステムによる再構築に取り組むことになった。
話を戻すと、グランドデザインに始まり、全社のリソースを管理する仕組みから新規再構築に着手。メインフレーム上にあった1万2000本のプログラムを整理し、2004年の年末までには再構築がすべて完了した。オープンシステムのサーバーはデータセンターに移管し、本社のコンピュータ室にはメインフレームが残った。
その搬出を前にした2005年1月、永年お世話になったメインフレームの供養をしようという話になった。神事に長けた社員が手際よく手配をし、パートナー企業も含め関係者100人ほどが集まった中、厳かに清祓式を執り行った。
その時から4年が経った今年、大成建設では仮想化技術を生かしてサーバー統合を実施した。2005年以前に導入したサーバーやストレージが更新期を迎えていたからだ。技術が進化する限り、我々はこうした世代交代を繰り返していく必要がある。
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