[市場動向]

活況呈する国内PaaS市場、主要サービスの運用柔軟性をチェック

国産クラウドの実力 Part5

2009年9月16日(水)IT Leaders編集部

国内市場でも選択肢が広がってきたクラウドサービス。なかでも、ユーザー企業が業務システムの基盤として導入しやすいとの観点から、OSやミドルウエアなども含めてサービスする「PaaS」への関心が高まっている。ここでは主要なPaaS環境について、その詳細を見てみよう。

現状のクラウドサービスは、次の3つに大別するのが分かりやすい。仮想マシンやネットワークなどITリソースのみを提供する「IaaS」、これにOSやミドルウエアも加えて提供する「PaaS」、さらに業務アプリケーションも含めて提供する「SaaS」である(図5)。中でも、最も動きが活発なのがPaaSだ。

図5 クラウドコンピューティングの構成要素
図5 クラウドコンピューティングの構成要素

そこで、国内で利用できる主要なPaaSの概要をまとめた(表5)。選定に際しては、以下のの3要件を満たすことを基準とした。

  • 仮想化技術を用いてITリソースを月額料金の単位で期間貸しする
  • OSやミドルウエアといったアプリケーションの開発・実行環境も含む
  • 要望に応じて、物理的にパーツを増設するのではなく、論理的なリソースをオンデマンドで割り当てられる
図5 クラウドコンピューティングの構成要素
表5 PaaSとしてアプリケーション開発環境を提供するクラウドサービス一覧
(画像をクリックでPDFをダウンロード出来ます)

ユーザーは何を比較すればよいのか。仮想マシンの性能や価格だけでは不十分で、利用できるOSやDBMSの種類などもチェックが必要だ。リソースを増強する際にかかる時間も見逃せない。さらに、システムの状況を監視する機能や、可用性の基準となるSLAも重視したい。

別の注意点はクラウド技術が発展途上にあり、図5が最終形ではないこと。今後はWebアプリケーションサーバーやDBMSが仮想化技術を内包し、今より上位のレイヤーで可用性が論じられる時期も来る可能性が大きい。関連技術を常にウォッチする姿勢も大切だ。

関連キーワード

PaaS / Webアプリケーション / アプリケーションサーバー

関連記事

トピックス

[Sponsored]

活況呈する国内PaaS市場、主要サービスの運用柔軟性をチェック国内市場でも選択肢が広がってきたクラウドサービス。なかでも、ユーザー企業が業務システムの基盤として導入しやすいとの観点から、OSやミドルウエアなども含めてサービスする「PaaS」への関心が高まっている。ここでは主要なPaaS環境について、その詳細を見てみよう。

PAGE TOP