日本IBMは2009年9月8日、コラボレーション基盤製品群「IBM Lotus Foundations」を販売開始した。ポータル構築機能に加え、セキュリティ機能などをパッケージ化。サーバーへの導入後「30分程度で利用可能になる」(日本IBMソフトウェア事業ロータス事業部事業部長 三浦美穂氏)という敷居の低さが売りだ。
中核製品は「IBM Lotus Foundations Start 1.1」。同社の電子メールを中心としたコラボレーション基盤製品「IBM Lotus Notes/Domino 8.5」の機能に加え、VPNやファイアウォール、アンチウイルスをはじめとするセキュリティ機能など、導入に必要な機能をまとめ、購入後すぐに本格利用できるよう配慮した。ディスクの自動バックアップ機能も備え、事前設定した時間間隔で定期的に自動実行される。
Start 1.1を専用サーバーと組み合わせたアプライアンス「IBM Lotus Foundations サーバー 1.1」も9月24日に発売する。タッチパネル式の液晶画面を搭載し、ディスプレイやキーボードを用意しなくても導入・運用できる。内蔵のフラッシュメモリーに、Linuxベースのサーバー用OS「Nitix」を搭載。ハードディスクの障害時でもVPN経由でリモートブートし、システムの診断や復旧作業ができる。
Start 1.1のアドオンとして、同社が「IBM Lotus Sametime」で提供するチャットや在席確認といったリアルタイムコミュニケーションツールを備える「IBM Lotus Foundations Reach 1.1」も用意。既存のLotus Notes/Dominoユーザー向けには、Dominoサーバーの拡張サーバーとして運用できる「IBM Lotus Foundations Branch Office Server 1.1」を用意した。
最近では、Gmailの社内導入事例が相次ぐなど、コラボレーション基盤のSaaS/クラウドへの移行が急速に進んでいる。IBMも、米国ではLotusの機能をSaaS形式で提供する「Lotus Live」を提供している(国内での提供は準備中)。SaaSへの移行が加速するなか、日本IBMでは社内運用型システムにも引き続き注力し、「社内ポリシーで社外へのデータ保管を許可しない企業のニーズに応えたい」(三浦氏)考えだ。
従業員数300人以下の企業など、専門の運用管理担当者がいない企業を主要ターゲットに据える。年内で100件の案件受注を目指す。価格はすべて税別で、Start 1.1が1サーバー3万2800円、1ユーザー2万1400円。Reach 1.1が1ユーザー1万100円。Branch Office Server 1.1が1サーバー47万1900円。アプライアンスのサーバー 1.1は25万円。