仮想環境の管理機能を備えたAPサーバー アプリケーションサーバーが仮想環境の管理機能を持つ─。日立製作所のアプリケーション開発・実行基盤「Cosminexus」の最新版の「V8.5」の特徴を一言で示すとこうなる。これはどういうことなのか。なぜ同じ日立の「JP1」ではないのか。日立の担当者に聞いた。
ハードウェアの導入費用や設置スペース、消費電力などの削減を目的に、仮想化ソフトを使って物理サーバーを統合・集約するケースが増えている。
だが日立によると、そのメリットを十分に享受するには、まだ課題があるという。「仮想化ソフトやその管理ツールがサポートするのはOSレイヤーまで。仮想環境で稼働する業務アプリケーションのためのネットワークやストレージ、負荷分散の設定は、人手で行う必要がある」(同社第2AP基盤ソフト設計部主任技師の越智 康氏)。
クラスタ化した複数の仮想サーバー上で業務アプリケーションを稼働させる場合にも、人手による設定や管理が必要になる。仮想化ソフトは、業務アプリケーションの稼働までは関知しないからだ。「仮想化は有用な仕組みだが、アプリケーションの視点から見れば開発時の各種設定や運用管理を複雑にしてしまう問題がある」(同)。
業務アプリ単位で仮想サーバーを統合管理
そこで日立は、Cosminexusの中核製品であるアプリケーションサーバー「uCosminexus Application Server」に、「仮想サーバマネージャ」という機能を盛り込んだ(図)。これは業務アプリケーションとそれが稼働する複数の仮想サーバーを、「管理ユニット」と呼ぶ単位で統合管理する機能だ。
会員登録(無料)が必要です
- “データベース仮想化”製品が登場、複数のDBから論理ビューを形成(2012/03/02)
- 3台のディスプレイを囲んで集中議論 資料のペーパーレス化と会議効率化を両立(2010/09/13)
- 営業担当の外回り業務を見える化 位置情報活用で訪問ルートの無駄をあぶり出す(2010/05/13)
- コスト削減や法令順守を視野に、基幹システムからの帳票印刷を集中管理(2010/03/10)
- 個別開発とパッケージの“良いとこ取り”を目指した カスタマイズ容易な製造業向け業務ソフト(2010/02/05)