【今月のテーマ:スマートデバイスの業務活用】業務での利用を許可する企業は57.2% 私用との切り分けが「BYOD」の課題に
2011年12月26日(月)IT Leaders編集部
スマートデバイスの企業内導入が進みつつある。企業はどんなルールを取り決め、どのような用途で活用しているのか。今後の普及が見込まれるスマートデバイスの現状について調査した。 MM総研+IT Leaders編集部
アップルのiPhoneやiPad、Android搭載端末といったスマートデバイスの業務での利用状況についてアンケートを実施したところ、1075人から回答を得た。利用を許可する企業は、「全社で許可」が36.4%で、「一部の部署で許可」「許可する予定」を加えると7割を超えた(図1)。会社支給/個人所有の端末の許可状況は図2の通りで、会社支給の端末に限り許可する企業が43.5%と高く、会社支給と個人所有の両方を許可するケースが21.6%、個人端末に限り許可するのが6.6%となった(許可予定と回答した人を含む)。個人所有の端末を業務で活用する「BYOD(Bring Your Own Device)」は米国などでは進んでいると言われる中、国内企業は慎重な姿勢だ。
スマートデバイスを業務で利用する企業(771人)に対し、用途について聞いた結果が図3だ。コミュニケーション系の「メール」「グループウェア」と答えた企業が、順に85.3%、57.7%と断トツに多い。だが3位は「CRM、SFA」、4位は「自社商品情報の閲覧」と、営業担当者向けの用途が上位に食い込んだ。「その他」の中には「システム開発の評価用」、「社員教育用」などの意見もあり、コミュニケーション系以外の用途も徐々に広がりつつある。
利用する際のルールはどうか(図4)。端末にIDを割り振って管理する企業が多いのは想定の範囲だが、紛失/盗難に備えて「端末のロック」もしくは「データの消去」を実施する企業も目立つ。どちらかに回答した352人のうち、両方とも実施するのは168人と4割を超え、ロックだけではなく確実にデータを消去できる環境も含めて整備するケースが多いことが分かる。また、少数だがルールを「定めてない」「検討中」と答える企業も。利用を許可したもののルール作りに苦慮する企業もあるようだ。
導入する上での課題は、セキュリティに関する項目が「コスト増」を押さえて上位を占めた(図5)。具体的には「セキュリティの確保が困難」が73.8%、次いで「情報漏えい時の責任の所在が不明瞭になる恐れ」が44.2%、「業務/個人データが混在し管理対象の明確化が困難」が40.9%などが続いた。
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