2011年末から12年初めにかけて、社会的なシステムの障害が相次いだ。 東京証券取引所やNTTドコモ、KDDIなどである。 本誌読者はこうした社会インフラを支えるシステム障害についてどう考えているのか。 システムが備えるべき要件と併せて、意見を聞いた。有効回答は1044人。 MM総研とIT Leaders編集部の共同調査の結果をお伝えする。
自社で運用する基幹システムに対し、どんな要件を優先すべきかを聞いた結果が図1である。優先する項目を3つ選択してもらったところ、「信頼性」、「可用性」、「保守性」を優先すべきと考えるユーザーが、それぞれ880票、611票、592票で上位を占めた。
企業の屋台骨となる基幹システムならば、これら3つがダントツで票を集めるのではとも考えたが、すべて選択した人は全体の22.4%(234人)に留まる。代わりに「使いやすさ」(503票)や「低コスト」(398票)などを優先すべき3要件の1つとして挙げる回答も根強かった。
今回の一連のシステム障害に対し、どういった対策が望ましいかを聞いた結果が図2だ。「どれだけ費用がかかろうとも100%の稼働率を目指すべき」との声は5.0%に留まった。「社会インフラだから、とにかくダウンさせるな」との厳しい見方は少数派だ。「自ずと限界はあるにせよ100%の稼働率を目指すべき」(30.7%)、「費用と効果のバランスを重視し、100%は無理としても稼働率の向上を目指すべき」(26.1%)との意見が多かったのは、回答者がシステム運用の難しさを身を持って感じているからかもしれない。
「いくら費用をかけても障害をなくすことは困難。障害が長引くことを想定した対策を検討すべき」(26.3%)という声も多かった。そもそも稼働率を引き上げることに目を向けるのではなく、障害が起こることを前提に、被害を最小化する対策を講じることこそが必要だとの意見だ。
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