5月の連休期間中に、米国ラスベガスで開かれた「Impact2012」に参加した。主催者である米IBMの発表によると参加者数は8500人。前年比20%増で、つまり盛況というわけだ。だが日本同様、米国の経済状況も決してよくない。そんな中で約20万円の参加費、ホテル代や航空運賃といったコストをかけて参加する人が、これだけいることに注目すべきだろう。
当然、参加者は「何かを得て帰ろう」という意欲が強い。だからセッション途中でも質問を投げかけるし、内容に興味が持てなければ、さっさと席を立つ。今に始まったことではなく、米国のカンファレンスの常ではあるが、見習うべきことなのかも知れない。
ちなみに展示会場などでは、言葉や名札から見る限り、中国などアジア系の参加者が目立った。日本からの参加者は40数人、割合では0.5%。もっと多くもいいように思うのだが…。5月後半に開催される米EMCのカンファレンスには、100人近い日本人が参加する予定と聞く。
IPA(情報処理推進機構)が「IT人材白書2012」を5月中旬に公開した。中身を見るとサブタイトルに「動かぬIT人材」とある。いったいどういうことか? IPAの田中久也IT人材育成本部長はこう話す。
「3K、7Kと言われたのは遙か昔。2600人に調査した結果、現在は労働時間も仕事のやりがいも満足度は高い。一方、技術の進化やグローバル化の中で将来のキャリアに対する不安が高まっている。となれば自己研鑽に励むはずなのに、実態は違った。雑誌や書籍、Webによる独学・情報収集が「週3時間未満」との回答が5割を超えた。社内外の教育コースやセミナーへの参加も「年間で10時間以下」がやはり半数。時間を使えばいいというものではないが、そういうレベルでさえないだろう。前向きに警鐘を鳴らす目的で、“動かぬ”というタイトルをつけた」。
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