DropboxやSkyDriveなどの個人用途を想定したオンラインストレージが多数登場する中、企業はこうしたサービスの利用を許容しているのか。利用するサービスの内訳や、利用規約に目を通しているのかなども合わせて読者に聞いた。有効回答数は874人。
個人向けオンラインストレージに対して、企業はどのような姿勢を示しているのか(図1)。結果は64.6%が「許可していない」で、「条件を定めて許可している」は4.6%に留まった。
企業規模別の使用状況は、より顕著な結果となった(図2)。従業員数が3001人以上の場合、80.5%が「許可していない」と回答し、従業員数が少なくなるに連れてこの値は低くなる。100人以下では「許可していない」が42.6%と5割を切る。利用を「許可している」、もしくは「事実上、許可している」と回答した割合は、100人以下の企業が46.5%ともっとも高く、3001人以上の企業は9.2%に留まる。
専任のIT管理者が不在であることの多い中小企業では、比較的新しいオンラインストレージサービスの利用にまで目が行き届いていないのかもしれない。一方の大企業は法令順守に向けたルールや組織体制がしっかりしていることが多く、データ漏えいのリスクを抱える以上は許可すべきでないと捉える傾向が強くなるようだ。
個人的にサービスを利用しているのかを聞いた結果が図3だ。「利用している」が49.3%で、「利用していない」が50.7%とわずかに上回る。「利用している」と答えた431人にサービスの併用数を聞くと、「1つ」が31.3%と高く、「2つ」(27.8%)、「3つ」(21.6%)と続く(図4)。「5つ以上」と回答した人が10.9%と必ずしも少なくない点も注目に値する。
サービスの利用規約を読むかどうかも聞いた(図5)。「サービスにより異なる」が42.5%で、「読む」が35.0%、「読まない」が22.5%だった。利用規約の中には、データの保有権者や消失時の損害に関して明文化しているケースが多い。マルウェアなどがが含まれていないか監視する目的で、データの中身を調べることを記すものもある。企業向けのサービスも含め、保存するデータがどう扱われているのかを知るためにも、利用規約に目を通しておくことが望ましいだろう。
そのほか、一番頻繁に利用するサービスも聞いた(図6)。「Dropbox」が32.9%と高く、「Evernote」(20.0%)や「SkyDrive」(16.5%)といったメジャーなサービスが続く。主な用途は、「私物PC間のデータ共有」と回答した人が76.8%と圧倒的に多く、業務に利用するケースは少ない(図7)。利便性に優れるとはいえ、個人用途に主眼を置くサービスを業務で使いたくないと考えるユーザーが多数派を占める結果となった。
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