米インテルは2014年8月12日、世界初となる14ナノメートル(nm)製造プロセス技術に最適化された最新のマイクロアーキテクチャーに関する詳細を発表した。クラウド/IoT(Internet of Things)時代に求められるコンピューティングへの対応に主眼が置かれている。
インテルは、今回発表された技術によって、クラウドインフラからIoT(Internet of Things)、パーソナル/モバイル・コンピューティングに至る広範なコンピューティングで求められる処理性能や省電力を実現するとしている。発表された技術の詳細は同社のWebページで公開されており、その概要は以下のとおりとなっている。
14nm製造プロセス技術が初めて採用されたのは、ノートPCやタブレットなどモバイルデバイス向けのCPU「インテル Core Mプロセッサー」である。トランジスターあたりのコストの低減を実現する第2世代の3次元トライゲート・トランジスター(FinFET)の採用などによって、前世代のCPUと同等の性能を維持しながら、熱設計電力(TDP:Thermal Design Power)を半減し、消費電力性能の向上が図られている。
インテルでインテルシニアフェロー兼プロセス/アーキテクチャー/インテグレーション担当ディレクターを務めるマーク・ボア氏は、「第2世代の3次元トライゲート・トランジスターを採用した最新の14nm製造プロセス技術では、高性能、低消費電力、高密度、トランジスターあたりのコストの低減が実現されている。ムーアの法則への投資や思いが、この新しい製造プロセスを実現するための中心的な役割を果たしている」とコメントしている。
Core Mを搭載した最初の製品は、2014年の年末商戦に提供が開始される予定で、その後、2015年上半期に幅広いメーカーから提供されていく見通しだ。また、インテルが現在開発中のBroadwell(開発コード名)マイクロアーキテクチャーと14nm製造プロセス技術をベースにした新しい製品群が、今後数カ月以内に発表される予定である。
インテルによると、Core Mの量産がすでに開始されているという。最初はモバイル向けCPUとなったが、同社は14nm製造プロセス技術を、サーバーやPC、IoT機器など、高性能でかつ低消費電力が要求されるデバイスのCPUにも採用していく構えである。