今日の情報システムは企業を支え、ビジネスを戦略的に遂行するための武器でもあります。その構築・実現を担うIT人材の育成は、あらゆる企業にとっての最重要課題にほかなりません。本連載では、企業のITリーダー=IT戦略・情報システム責任者が、いかにして自組織のIT人材育成・活用を推し進めていけばよいのかを掘り下げていきます。
CCSF(共通キャリア・スキルフレームワーク:Common Career Skill Framework)の全面刷新を機に、その考え方や使い方について解説していく集中連載の第6回です。IPAは7月31日、CCSFを全面刷新した新しいスキル標準を「iコンピテンシ・ディクショナリ」の正式名称で公表しました。略称はまだ定まっていませんが、本稿では「iCD」の略称で呼ぶことにします。
前回はiCDの概要について説明しました。今回よりその構造や活用法について解説していきます。全回を通してお読みいただくことで、iCDが企業にもたらす価値を理解していただければと思います。
タスク、スキルと成果
前回述べたように、iCDは、タスクディクショナリとスキルディクショナリの2本柱で構成されています。図1は、ビジネス成果を出す前提において、タスクとスキルがどのように関係するかを示したものです。
タスクディクショナリは、経営戦略や事業計画を推進するために必要なタスク群で構成されています。以前から「iCDの企業活用の主体はタスク」であることをキーフレーズとして繰り返し述べてきました。企業や組織の視点で活用を考える場合は、To Beのタスク構成を求めることが、企業戦略や事業計画実現のためのスタートとなります。もし、人材像やスキルから取り掛かれば、企業の考えを入れることが難しいからです。
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