最新のIT製品の多くは海外発のもの。ユーザー企業にとっては、外資系IT企業とうまく付き合うことも重要なテーマとなってくる。そのためには、日本企業とは異なるカルチャーや“思考回路”といったものを理解することが欠かせない。多くの外資企業で経験を重ねた筆者が、付き合い方を指南する。
今日、海外製のIT製品やサービスを使っていないユーザー企業は皆無と言っていいでしょう。それどころか最新のITの大半は海外発であり、今後、外資系IT企業との付き合いはこれまで以上に不可欠になります。「外資系とはいえ日本法人があるし、社員も日本人がほとんど。販売代理店もいるし、特別な付き合い方は必要ないのでは?」。こう考える読者は少なくないかも知れません。
しかし当然、それは正しいとは言えません。簡単な話、本社が海外にある以上、日本法人の決裁権は限られます。社員のインセンティブなども純粋の日本企業とはロジックが異なるからです。だからいいとか悪いという話ではなく、違いを意識してうまく付き合っていく必要があるゆえんであり、それがお互いをハッピーにすると確信しています。
そこで20年以上にわたり複数の外資系IT企業(特に米国企業)で仕事をしてきた筆者の知見から、IT Leadersの読者の皆さんにとって「知って得する外資系IT企業との付き合い方」を連載していきます。少しだけ例を挙げると、本社・日本法人・代理店などとどう付き合うといいか、ファーストユーザーになることの得失は、といったことです。ご質問がありましたら、できるだけ取り上げていきたいと思いますので、よろしくお付き合いください。
米国の競争の激しさが日本進出を促す
初回は、外資系IT企業の日本市場への進出について取り上げたいと思います。外資系企業が日本市場に参入を考える場合には、何よりもまずニーズがあるのか、自分たちの製品やサービスが売れるのか、儲かるのか?といった視点で考えます。顧客のためとか、ITの民主化と言った言葉は、後で作られたマーケティングメッセージです。
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