ITのこれからを予測するには、単にテクノロジーだけを追い掛けては見誤ることがある。テクノロジーを提供する企業の存続性もが問われるからだ。企業を評価するための指標の1つに、株価に株式数をかけた時価総額がある。株価には、現在の業績だけでなく、将来の成長に対する期待が含まれているだけに、時価総額は市場のマクロな動向の参考になる。今回は視点を変え、時価総額からIT動向を考えてみる。
図1は、IT企業の時価総額トップ10を1999年11月と2014年末とで比較したものである。
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1999年は、世界初の商用ブラウザ「Netscape Navigator」がリリースされインターネット時代が始まってから5年を経たタイミングだ。Windowsで市場をリードし、時価総額世界一を誇った米Microsoftや、IT業界のリーダー格に位置するIBMやOracle、PCの寵児となったデル、MicrosoftとともにWintel時代を築いたインテルといった米国企業が上位に位置する。
通信分野からは、M&A(企業の統合・買収)で急成長し、後にITバブルの崩壊で経営破綻した大手通信事業者の米Worldcomが6位に、携帯電話用チップのリーダーである米Qualcommが9位に登場している。
インターネット時代の到来によって、1984年創業の米Cisco Systemsや、1982年に創業した旧Sun Microsystems(現Oracle)が、インターネットやインターネットを使ったビジネスの急拡大への期待から上位に位置付けられている。Ciscoはインターネットをネットワーク機器で、Sunはサーバーで、それぞれ支えている。
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