[事例ニュース]
化学メーカーのJSR、マシンラーニングで製品の目視検査を省力化
2018年6月19日(火)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
化学メーカーのJSR(本社:東京都港区)が、製品検査工程を省力化するため、機械学習を活用した目視検査システムを導入した。NECの「AI Visual Inspection」を採用し、2018年7月から利用を開始する。JSRは検証の結果、本システムを導入した品質検査の業務負荷を約50%削減できると見込んでいる。NECが2018年6月18日に発表した。
化学メーカーのJSRは、合成ゴムやエマルジョン、合成樹脂などの石油化学系事業に加え、半導体/ディスプレイ材料やライフサイエンスなどの事業を展開する。
同社ではこれまで、多品種化や出荷リードタイム短縮といった市場の需要に対応するため、製品の品質検査において、検査手法の改善や自動化、検査体制の強化など、様々な改善を行ってきたという。しかし、検査要員の育成には時間がかかるほか、検査業務の負荷が高いという課題があった。

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JSRは今回、NECの「RAPID機械学習技術」をベースとした目視検査システムである「AI Visual Inspection」を導入した。マシンラーニング(機械学習)/ディープラーニング(深層学習)を用いる同システムにより、半導体材料の品質検査(要因分類)業務を省力化する。検査の高速化や均質化、状況に応じた対象製品の拡大、熟練者と同じ精度で効率よく要因分類ができる体制作りなども可能になるとしている。
NECはAI Visual Inspectionを2017年6月から販売している。製造業における完成品の目視検査を、機械学習を活用した製品画像の認識によって実現する。人手で行っていた検品業務工数を、おおよそ2分の1程度に削減するとともに、製造品質の均一化を図れるとしている。